【第3回】公共調達で価格競争から抜け出す。「プロポーザル方式」という戦い方

【第3回】公共調達で価格競争から抜け出す。「プロポーザル方式」という戦い方

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ビジネス・マーケティング
ここまで本シリーズをお読みいただき、ありがとうございます。今回がいよいよ最終回です。

第1回でお伝えした、苦労して練り上げた提案内容を競合に知られ、最終的に最も安価な見積もりを出した企業に案件を奪われてしまう事態。これは企業にとって大きな痛手です。

このような不毛な価格競争を避ける方法は、果たしてないのでしょうか。

実は、明確な打開策が存在します。それは、官公庁の調達ルールを「一般競争入札」から「プロポーザル方式」へ切り替えてもらうよう要求部署へ積極的に働きかけることです。

価格か、質か。2つのルールの違い

そもそも、官公庁が民間企業に業務を委託する際のルールには、競争入札のみならず様々な手法があります。その中でもプロポーザル方式と一般的な競争入札には以下のような違いが存在します。

・一般競争入札 あらかじめ求める条件(仕様)を厳密に定め、最も安い金額を提示した企業が落札する仕組み。いわゆる価格競争です。
・プロポーザル方式(企画提案方式) あらかじめ予算を固定し、最も質の高い、あるいは革新的な提案を行った企業が選ばれる仕組み。価格ではなく、アイデアや技術力が評価されます。
※なお、プロポーザル方式は競争入札ではなくざっくりと言うと随意契約の一種です。

自社にしかない独自の技術やノウハウがある場合、価格勝負の土俵である一般競争入札で戦うべきではありません。

官公庁の担当者に対し、「この課題を根本から解決するには、単なるコスト削減ではなく、技術の質と新しい切り口が必要です。そのため、プロポーザル方式で公募を実施してください」と提案するのです。

官公庁側も前例踏襲で競争入札の手続きを続けている場合もあり、「技術的の質」という切り口によりもたらされる可能性に気付いていないことが意外に多いです。要求部署とのアクセスが可能ならばこのような逆提案も戦略の一つだと思います。

ルールが変われば、ビジネスの形も変わる

官公庁が民間からモノやサービスを買い入れる「公共調達」や官公庁との取引に対し、最初は「お堅い」「手続きが煩雑」「利益が出にくい」といったネガティブな印象を抱く方も多いでしょう。
※過去の私も同様でした(汗)

しかし、官公庁は決して民間に厳しいわけではありません。官公庁の目線で最優先すべき「公平性」というルールを守るために、厳格な手続きを踏んでいるだけなのです。

これまでの連載の総括になりますが、公共調達を成功に導くポイントは以下の3点に集約されます。

1. 予算が決まるタイミングを正確に把握する。
2. 自社の強みを、官公庁側の文脈に変換して伝える。
3. 価格ではなく「質」で勝負できる土俵(プロポーザル方式)を作る。

この構造を理解すれば、官公庁は決してハードルの高い相手とは言えないと思います。自社のビジネスを通じて国や地域社会に確かな貢献ができる、優れたパートナーとなります。

最初からすべてを完璧にこなす必要はありません。少しずつ官公庁のルールを理解し、相手の視点に歩み寄ることで、必ず道は開けます。自社のサービスを公共調達で活かしたいとお考えなら、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。

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