【第3回】数ヶ月が数週間へ。官公庁のSaaS導入を変える「DMP」の衝撃

【第3回】数ヶ月が数週間へ。官公庁のSaaS導入を変える「DMP」の衝撃

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ビジネス・マーケティング
第1回では官公庁とスタートアップの間にある「実績の壁」と文化のズレを、第2回ではその壁を越えるための「飛び級特例」についてお話ししてきました。シリーズ最終回となる今回は、官公庁のシステム調達にかかる時間と労力を根本から変える新しい仕組み「DMP(デジタルマーケットプレイス)」について紐解いていきます。

スタートアップを苦しめる「死の谷」

これまで、官公庁へのシステム導入には途方もない時間がかかっていました。

官公庁側が細部まで仕様書を作り、コンペを実施し、何層もの決裁を経てようやく契約に至る。数ヶ月から数年単位のプロジェクトになるのが当たり前であり、資金繰りのスピードが命であるスタートアップにとって、この長い待機期間は第1回でも触れた「死の谷(事業化の過程で資金が枯渇してしまう期間)」そのものでした。

この時間のかかるプロセスを根本から変えるために、デジタル庁が進めているのが「DMP」です。

DMPがもたらす、調達プロセスの劇的な変化

DMPの仕組みを簡単に言えば、官公庁向けの「ソフトウェアのカタログ」です。

これまで官公庁のシステムは、必要に応じてゼロから特注で作る(スクラッチ開発)のが基本でした。しかしDMPは、すでに世の中にある優れたSaaS(インターネット経由で利用できるクラウド型のソフトウェア)をカタログに登録し、官公庁の担当者が自らの課題に合ったものを直接選んで契約できる世界を目指しています。

この仕組みが本格稼働すれば、現場には二つの大きな変化が生まれます。

◆調達期間の大幅な短縮
これまで数ヶ月を要していたプロセスが、数週間単位で完結するようになります。入札スケジュールの編成に常に苦慮していた元・発注担当者の立場から見ても、これは画期的な変化です。

◆評価基準の本質的な転換
「仕様書に書かれた要件を満たしているか」を細かくチェックする減点方式から、「このサービスを使えば目の前の課題が解決できるか」という本質的な価値評価へと変わっていきます。官公庁特有の無謬性(むびゅうせい:決して失敗が許されない、間違いがあってはならないとする性質)とは相反する、加点方式への転換とも言えます。

スタートアップが持つSaaS製品が、全国の省庁や自治体へ一気に横展開される土壌は整いつつあります。約3,000億円とも言われる官公庁のICT市場は、今まさに皆さんの目の前に開かれているのです。

ルールが変わっても、人間の「心理」は変わらない

しかし、ここで少し冷静に考えてみましょう。調達のルールが便利になったからといって、官公庁という組織に根付く性質がすぐに変わるわけではありません。組織のカルチャーやそこで働く人々の意識は、そう簡単には変革されないものです。

どれほど便利なカタログが用意されても、官公庁の担当者が抱える「前例を踏襲(とうしゅう:過去のやり方をそのまま受け継ぐこと)したい」「失敗して責任を問われたくない」という根源的な不安が消えるわけではないのです。

✔自社の技術をどのようにしてカタログに登録し、膨大な選択肢の中から担当者の目に留まらせるか。

✔評価者が思わず加点したくなる提案書のロジックをどう組み立てるか。

✔担当者の「失敗できない心理」をどうフォローし、安心感へと変えるか。

結局のところ、勝敗を分けるのは実務レベルでこれらの「How(具体的な進め方)」を知っているかどうかです。これに加えて、当ブログでも折に触れてお伝えしているように、発注側との「つかず離れずのコミュニケーション」が案件獲得の重要な鍵となります。

確かな「勝ち筋」を見つけるために

「自社のサービスを、どうやって官公庁に売り込めばいいのか」
「官公庁の担当者の心理に刺さる提案書とは、どのようなものか」

もし本気で公共調達市場への参入を検討されているなら、発注側の内情と論理を熟知する人間の視点が必ずお役に立つはずです。元・発注側の知見をフル活用し、あなたのサービスに合わせた最適な「勝ち筋」をご提案します。

公共調達という新しい市場への挑戦について、ぜひ下記よりお気軽にご相談ください。

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