絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

4 件中 1 - 4 件表示
カバー画像

出版素人電子書籍プロデューサーの実際/専門家の立場から

なぜ、その一言で私は凍りついたのか 「せっかく電子書籍を出したんだから、紙の本にして書店に並べたい」 きっと、そう思うのは自然な感情です。 本を出すなら、やっぱり“書店に並ぶ”ところまでいきたい。 家族や知人に「近所の本屋に置いてあるよ」と言いたい。 その気持ちを、私は否定しません。 けれど―― その一言を、ある電子書籍プロデューサーから相談されたとき、私は一瞬、言葉を失いました。 「Kindleをペーパーバックにして書店流通したい」 先日、ある電子書籍プロデューサーから相談を受けました。 「Kindleで出した本をペーパーバックにして、書店流通させたいんです」 結論から言います。 できるわけがありません。 Kindleダイレクトパブリッシングで出した本は、基本的に“自己出版”です。 出版社を通さず、流通ルートも持たない。 誤解してほしくないのは自己出版と自費出版は別物です。 KindleはKindleの中で勝負する。 その場合は、出版社のバックボーンは逆に不要と私は考えています。 本を書店流通させるのに、まず第一関門はISBN(アイエスビーエヌ)コードの取得。 かつては数百万円とも言われたこのコードも、今は数万円で取得できます。 しかし―― ISBNを取れば書店に並ぶ、という発想が、そもそも致命的に甘い。 書店は「置いてあげる場所」ではない 書店の棚は無限ではありません。 限られたスペースの中で、「売れる本」を厳選して並べています。 そこに、 ・実績のない ・出版社の後ろ盾もない ・販売戦略もない ペーパーバックを置いてくれるでしょうか? 百歩譲って、個別店舗の店長と強い関係
0
カバー画像

「AIで電子書籍を出して印税生活」──出版のプロが広告に感じた強い違和感

昨日、ライティング講座のあまりにも雑な運営について書いたところ、 主婦の友社時代の同僚編集者からメッセージが届きました。 「Facebookでよく見る“AIでKindle出版して印税で稼げる”って広告、あれって実際どう思う?」 正直、私もその広告を見たとき、強い懸念を持ちました。 「AIを使って誰でも簡単に電子書籍を量産し、印税で生活できる」──そんな導線を平然と引いているのです。 しかも「出版のことをまったく知らない人でも、千人のサポーターがつくから安心」と謳っていました。ところが、その“サポーター”なる人物の経歴は一切明らかにされていません。 出版界で30年以上、文字通り現場で体を張ってきた私から見れば、 「いったいこの人たちは何を言っているのだろう?」と、目を疑う思いです。 出版業界の現実──印税で食べていける人はごく一部 出版の世界の実情をお伝えします。 現在、国内の出版社の6割以上が経営的に厳しい状況にあります。 紙の本と電子書籍を同時発売する「サイマル出版」が一般化してきましたが、 電子版だけで大きく収益を上げられる著者はごくわずかです。 たとえば、私が担当した著者の中には、 何冊もベストセラーを出しているビジネス書の書き手もいます。 それでも電子版のロイヤリティ(印税)は、半年に5〜7万円程度であれば十分健闘している方です。 これは決して「初めて本を出す人」の話ではありません。 出版経験が豊富で、読者の信頼を積み重ねてきた人でさえ、 電子だけで継続的に印税を得るのは簡単ではないのです。 まして、AIを使って量産した原稿で“印税生活”ができるとは到底思えません。 そ
0
カバー画像

その人、本当に「出版プロデューサー」ですか?/プロデューサーに質問すべき鉄板フレーズ紹介

「本を出したいのに、なぜか不安が消えない」あなたへ 商業出版に興味を持ち、 出版プロデューサーと名乗る人と話したあと、 こんな感覚が残ったことはありませんか。 「話は立派だけど、どこかフワッとしている」 「実績はあると言うけれど、具体的な話が出てこない」 「この人に任せて、本当に大丈夫なんだろうか」 その違和感、かなり正確です。 副業で“商業出版プロデュース”をしている人と話してみた 先日、副業として 「商業出版のプロデュースをしている」という人と話をしました。 その人はこれまでに3冊、 自身の健康関連ノウハウをテーマに本を出した経験があるそうです。 名刺には「累計◯万部突破」という、よく見るキャッチコピー。 ただ、私は出版業界に30年以上います。 編集者としてPOSデータを調べることができます。 気になって、その3冊を調べてみました。 調べてみたら、言葉を失った 3冊のうち1冊は8年以上前の本で、 さすがにデータが追えませんでした。 残り2冊。 どちらも 返品率80%前後。 これはどういうことかというと、 書店に並んだ本のほとんどが売れず、 そのまま出版社に戻ってきた、という数字です。 はっきり言います。 実績としては壊滅的 です。 この数字を見て、 「それでも出版プロデューサーと名乗れるのか」と 正直、あきれてしまいました。 「著者として成功」と「プロデュース能力」は別物 よくある誤解があります。 それは、 ベストセラーを出した著者 = 出版プロデュースもできる という思い込みです。 これは、ほぼ成り立ちません。 例外中の例外が、本田直之さんです。 私は同世代で、編集者とし
0
カバー画像

書籍編集者のリアルな一日──主婦の友社時代を振り返って

出社時間に「厳密さ」がない理由 出版社の編集者には、厳密な出社時間というものがありません。 それは「朝がゆるい」という意味ではなく、「夜が終わらない」からです。 私が女性ファッション誌の編集部にいたころ、最終締め切りが終わったのは午前4時。そのまま仮眠も取らずに、朝6時には次号のファッションページ撮影の待ち合わせ。編集部に寝袋を置き、泊まり込むのは当たり前でした。 そんな生活を数年続けたあと、書籍編集部に異動しました。雑誌と違い、書籍は「月刊」ではなく「作品単位」で進む分、呼吸のリズムはゆるやかです。それでも、締め切り前は夜10時を過ぎてもデスクに灯りがついていました。 机の上の「大きな封筒」から始まる朝 出社すると、机の上には印刷所から届いた大きな茶封筒。中には「色校(いろこう)」──カバーや帯のデザインを実際に印刷したサンプルが入っています。 著者名の文字が1ミリでもズレていないか。帯コピーの誤字がないか。印刷の色味がモニター上とズレていないか。 編集者は自分の目で、そして著者・校正者の目で何度も確認します。 午前中はこれらの確認と各所への送付であっという間に過ぎていきます。 午後の勝負は「企画会議」 出版社によって形式は違いますが、企画会議の緊張感はどこも同じです。 会議には編集部長、販売部長、営業担当、時には経営幹部も同席します。 提案者である私は、企画書にびっしりと数字を埋めます。 「同テーマの既刊は何部売れて、何割が返品されたか」 「プロモーション予算はいくらか」 「著者のSNSフォロワー数は?」 編集者は“感性”だけで企画を通せる時代ではありません。 理論武装をし
0
4 件中 1 - 4