【松野翔太:堺市/教師】 スマホの充電が切れた瞬間に、「自分のエネルギー残量」も見えた話
出先でスマホの充電が切れた。モバイルバッテリーも忘れ、地図もメモも開けない。最初は焦ったが、ふと顔を上げると、目の前に広がる景色の鮮やかさに驚いた。人の声、風の音、匂い。こんなに生々しい世界だったのかと、少し背筋が伸びた。普段の私は、まるで充電ケーブルにつながれたまま生きているようだった。スマホを離して、やっと自分自身の「バッテリー残量」に気づいたのだ。仕事も生活も、常に「つながっている」状態で進めてきた。通知が鳴れば反射的に手が伸び、タスクを片づければ達成感に似た安心を得る。だがそれは、まるで自分の中のエネルギーを少しずつ削って、電気で動く機械のように毎日を回していたのかもしれない。いつからだろう、自分の思考も感情も、「充電が切れたら止まるもの」みたいに感じるようになっていた。スマホの電源が落ちて、私はようやく一息ついた。街を歩くと、カフェの中で画面に顔を埋める人たちの姿が目に入る。みんな誰かとつながっているようで、でもどこか孤独そうだ。私も同じだった。つながることに安心し、手放すことを怖がっていた。でも本当は、少しの「オフ」がないと、心の回路はショートする。人間にはバッテリー交換も、強制再起動もない。だからこそ、自分のエネルギー管理を他人任せにしてはいけない。その日は地図も開けないまま、勘だけで歩いてみた。曲がり角を間違えても、思いがけずきれいな並木道に出会う。迷うことは、悪いことじゃない。むしろ自分の直感や感覚を信じるチャンスだと気づいた。電波がない場所ほど、感覚は研ぎ澄まされる。帰宅してスマホを充電しながら、少し笑ってしまった。今までの私は、常にバッテリー残量1%のまま
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