かむっくでできることⅡ<B型事業所の収益をどう作るか:ある相談への実践回答>/栞あるいはログポース⑦

記事
ビジネス・マーケティング

ある就労継続支援B型事業所からのご相談

ある事業所様より、次のようなご相談をいただきました。
・通所利用者の多くが精神障害のある方で、年齢層は比較的高め
・主な作業は軽作業(袋詰め等)
・在宅利用者も一定数おり、アクセサリー制作やPC作業を実施
・一部の利用者はPC作業に強みあり
・全体として収益性を高めたい(工賃1万円未満→3〜4万円台へ)
さらにヒアリングを進める中で、
「一部の戦力(約5名)で高単価案件を担い、全体収益を押し上げたい」
という意図も共有いただきました。

課題の構造

このようなケースでは、以下の課題が重なります。
・軽作業単価の上限(作業量を増やしても伸びにくい)
・作業と収益の分断(“やっているが稼げない”)
・強みの未活用(PCスキルや制作力が収益化されていない)
・少人数エース依存のリスク(欠勤・離脱で崩れる)
そのため、「単価を上げる」だけでなく、
収益の作り方(構造)を組み替えることが必要になります。

 いただいた前提の整理(重要)

ご相談の中で示された目標は、
・平均4万円 × 約20名規模 ≒ 月80〜90万円台
・うち主戦力5名で大半を生みたい
というものでした。
結論として、「5名で月90万円台を単発設計で達成」は現実的ではありません。
一方で、段階的な営業・案件構築・運用設計を組み合わせれば到達可能なレンジです。
この前提に立ち、無理のない立ち上げと拡張を両立する設計へと調整しました。

 提案した業務設計(2軸)

今回の設計は、ご相談を受けた事業所様の強み(PCスキル・アクセサリー制作)を活かせるよう、
私自身がこれまで作成・蓄積してきた2つの「地域設計書」をベースに再構成しています。
※地域設計書:地域にある人・仕事・場所・制度などの資源を整理し、業務や収益構造と接続するための設計資料
単なるアイデア提示ではなく、
「既存資源をどう組み替えれば収益構造になるか」という観点から設計を行いました。

① PCが得意な利用者を軸とした「品質チェック業務」
“後回しにされがちだが重要”な業務を外部化対象として設計。
・保存文書のバックアップ確認
・ファイル破損チェック
・紙資料のスキャン/欠落確認
・データ突合/整合性チェック
ポイント
・単純作業ではなく「品質工程」として定義
・ミス予防・監査対応など“損失回避価値”で評価される
・小口×複数案件で積み上げ(継続契約に接続)

② アクセサリー制作の付加価値化(地域連携モデル)
制作単体から、工程連結による価値化へ。
・カプセルの回収(施設外就労)
・洗浄・加工(内部工程)
・封入・商品化(販売)
「回収 → 加工 → 商品化」で、
外部収益+内部作業+販売を一体化。
ポイント
・回収で“固定収入の芽”をつくる
・制作は“付加価値の核”に位置づける
・環境・地域連携の文脈で企業接続しやすい

 設計プロセス(どう組んだか)

1. 現有リソースの棚卸し(人員・スキル・在宅/通所)
2. 外部ニーズの抽出(後回し業務/地域の未充足領域)
3. 工程分解(小さな作業単位へ分ける)
4. 収益化ポイントの設定(どこでお金を生むか)
5. 小規模導入(1〜2案件/1〜2拠点)
6. 再現性の確認(手順化・役割固定)
7. 横展開(案件数・設置箇所の積み上げ)
最初から大きく取らないことが前提です。

段階モデル(現実的な伸ばし方)
・フェーズ0:既存作業の安定化(〜10万円台)
・フェーズ1:小口案件の獲得(〜30万円台)
・フェーズ2:複数案件の並行運用(〜60万円台)
・フェーズ3:拠点・案件の拡張(〜90万円台)
営業・案件・運用の三位一体で積み上げる構造

気をつけたポイント
・エース5名依存にしすぎない(代替可能な工程設計)
・欠勤前提で成立する時間設計(小口案件化)
・単発ではなく継続契約に寄せる
・“作業”ではなく“機能”として売る
・地域接点を持ち、営業導線をつくる

この設計でできること
・工賃の底上げ(1万円未満 → 3万円台以上を狙う)
・在宅/通所の役割分担の最適化
・施設外就労の収益化
・企業との継続的な関係構築
・“軽作業依存”からの脱却

最後に

B型事業所の収益改善は、単価や作業量の問題ではなく、
構造設計の問題です。
単発のアイデアではなく、
営業・案件・運用をどう積み上げるかによって結果は変わります。
同様のお悩みがあれば、状況に応じて実装可能な形まで落とし込みます。
お気軽にご相談ください。

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