アセスメント

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 前回の続きになります。前回は、算数の躓きについて書きましたが、今回は、文章読解の躓きについてです。
 文章の読解力は、すべての学力に大きく影響します。学習面での躓きのある子の多くは、文章読解力が低い傾向にあります。しかし、読解力での躓きは、さまざまな要素が影響しているので、どこで、躓いているのかがつかみづらいです。指導者側としてもとても悩ましい部分ではあります。
 しかしながら、最近では、さまざまな研究がなされ、読解力の躓きが、段階ごとに分類されたり、読解力スキルテストなども実施されたりしています。小学校でも学校によっては、「MIM-PM」というアセスメントをしながら、特殊音節の躓きを見つけ、指導を行う実践をしている学校があります。
前回書いたように教師や親が子どもの躓きを理解することは、とても重要なことです。そういう点で、アセスメントの有効活用が必要になってきます。
 アセスメントとは、「評価」や「査定」などを意味する言葉です。語源は英単語の「assessment」で、人や物の評価や判断、また課税や資産などの評価および査定、といったことを意味します。
 学校等でアセスメントというと、「WISC」に代表されるような発達検査、知能検査を思い浮かべる人がいるかと思いますが、私が言っているアセスメントは、もっと広いものです。小学校で行う、単元テストもアセスメントですし、学力調査的なものもアセスメントになります。学校でいう「テスト」の類は、すべてアセスメントです。ですから、アセスメントは日常的に行われているのです。大切なのは、これをどう使うかです。つい、教師や親、そして本人も「点数」だけを気にしてしまいます。もちろん、点数は子どもの学力を図る意味では大切ですが、それよりもそこから見えるその子の得意なことや苦手なこと(躓き)を発見することが大切なのです。
 WISCのような知能検査もそうです。私が、現場にいた時もこういった知能検査をすすめると、「うちの子は、どこか問題があるのですか?」と心配されたり、「うちの子は普通です」と憤慨されたりする保護者がいました。決してWISCを受けるということはその子にレッテルを貼るためではありません。その子の得意な部分や苦手な部分を客観的に知るための意味合いの方が強いです。
 誰にでも得手不得手はあります。それを客観的なアセスメントで理解し、適切な方法で乗り越えていくことが何よりも重要なのです。
 健康診断もそうだと思います。「早期発見、早期治療」が重要と義務化されていますが、私は、こういったアセスメントも積極的に受けていった方が良いと個人的に思っています。
 「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」は、孫子の兵法で有名な言葉ですが、まさしくその通りです。
 私はもっと、気楽にアセスメントが受けられるような土壌が作られることを願っています。
 学習の躓きは、自己肯定感の低下、学校生活への意欲減退、お子さんにとっていろいろなハンデとなります。早めに手を打つことが必要です。もし、この話に興味を持たれたら、オンライン家庭教師もしていますし、ご相談にも乗れます。

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