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理想と現実のはざまで、保護者のかかわりが重要に

  前回、アセスメントの重要性について書きました。何度か書いているように「学習の躓き」は様々な躓きがあり、発達障害と同じで、早期発見、早期対応が重要での躓きに大きな影響を及ぼすことは、エビデンスが得られています。  数年ぐらい前から、学校教育の中でも、「多層的な支援」モデル」RTI(=Response To Intervention)の必要性が言われています。  RTIモデルについては、詳しい説明は省きます。要は、クラス内の子どもの実態を把握し、単一的な指導を行うのではなく、それぞれの層にあった適切な指導を行うことになります。 これは、様々なニーズのある子どもたちがいる現在、とても大切な考え方であり、指導モデルでもあります。しかしながら、これを教育現場で実際に行うとなるとかなり難しいことです。  小学校の場合、学級担任一人で指導することになります。もちろん、子どもの実態に合わせて、教材を工夫したり、個に応じた指導をしたりしようと努力をしている教師はたくさんいます。しかしながら、様々な業務をこなしながら、1日多いときは6時間分の授業の準備をしなくてはなりません。しかも、今の学校は人手不足が深刻化して、経験の少ない若手の教員や指導力が十分とは言えない教員が多数いるのも事実です。  多くの教員は、クラスの一定の水準の児童に合わせた授業を行うのが精一杯というのが現実だと思います。教員を責めるわけにはいきません。それほど、今の教育現場の人手不足、人材不足は深刻であることを多くの人に知ってほしいと思います。  したがって、保護者の方がいかに自分のお子さんについて客観的に知るということはとて
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アセスメント

 前回の続きになります。前回は、算数の躓きについて書きましたが、今回は、文章読解の躓きについてです。  文章の読解力は、すべての学力に大きく影響します。学習面での躓きのある子の多くは、文章読解力が低い傾向にあります。しかし、読解力での躓きは、さまざまな要素が影響しているので、どこで、躓いているのかがつかみづらいです。指導者側としてもとても悩ましい部分ではあります。  しかしながら、最近では、さまざまな研究がなされ、読解力の躓きが、段階ごとに分類されたり、読解力スキルテストなども実施されたりしています。小学校でも学校によっては、「MIM-PM」というアセスメントをしながら、特殊音節の躓きを見つけ、指導を行う実践をしている学校があります。 前回書いたように教師や親が子どもの躓きを理解することは、とても重要なことです。そういう点で、アセスメントの有効活用が必要になってきます。  アセスメントとは、「評価」や「査定」などを意味する言葉です。語源は英単語の「assessment」で、人や物の評価や判断、また課税や資産などの評価および査定、といったことを意味します。  学校等でアセスメントというと、「WISC」に代表されるような発達検査、知能検査を思い浮かべる人がいるかと思いますが、私が言っているアセスメントは、もっと広いものです。小学校で行う、単元テストもアセスメントですし、学力調査的なものもアセスメントになります。学校でいう「テスト」の類は、すべてアセスメントです。ですから、アセスメントは日常的に行われているのです。大切なのは、これをどう使うかです。つい、教師や親、そして本人も「点数」
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学習の躓きと原因追及の重要性

前回、基礎感覚が子どもの学力に影響があることを書きました。今回は、学習の躓きとその原因追及の重要性について書きたいと思います。 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があります。  プロ野球の選手・監督として有名な故野村克也さんの座右の銘として有名になりましたが、この言葉、もともとは肥前国 第9代平戸藩主「松浦 清」の言葉です。「偶然に勝つことはあっても、偶然に負けることはない。失敗の裏には、必ず落ち度があるはずだ。」ということを家臣に伝える意味で言ったそうです。  これは、子どもたちの学習についても言えることだと思います。 「偶然でテストで点がとれることはあります。けれども、できない子どもは、偶然ではなく、必ず何かしらの原因があります。」 算数は、比較的わかりやすいかと思います。最初の躓きは、1年生の「いくつといくつ」で10の補数が身に付いているか、身に付いていないか。ここで、躓いてしまった子は、この先の繰り上がりや繰り下がりの計算の学習に影響することははっきりしています。また、かけ算九九が身に付かないまま進級すると当然ですが、割り算に影響します。  もっと感覚的なのをあげると「3」を見て具体物である「〇〇〇」が頭の中で、想起できない子どもがいます。このようなお子さんは、10進法の理解も十分でない場合が多く、十五を数字で書いてというと「105」と書いてしまいます。  よく、小学校の低学年で、ブロックや100玉そろばんを使うのは、こういった数量感覚を養う意味もあります。こういった具体物の操作は、とても大切です。デジタル社会の現代、子どもたちの生活体験が減少
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基礎感覚を育てる必要性

 初めて、ブログを書きます。私は、長年小学校の教員をしてきました。その中で、高学年の段階でも、学習内容以前の部分で身に付いていなかったり、躓いていたりする児童が多数いました。  では、子どもたちは、どこの部分で躓いているのでしょうか?もちろん、これは、一人一人の子供によって違いがあるのですが、国語や算数などの学習の土台になっている「基礎感覚・基礎技能」が十分に身に付いていないのではないかと考えました。  私は、子どもたちに基礎学力を身に付けさせる上での「基礎感覚」をとても大切に考えています。どの教科(分野といったほうがいいかもしれません)においても基礎感覚はとても重要なものです。これが育っていなければ、いくら多くの知識を与えたとしても、どの教科でも必ず躓きがでてきてしまいます。  私は、子どもの頃、絵を描くのがとても苦手でした。(今でも苦手です)これは、絵を描くというテクニックが不足しているからだけでなく、まわりの風景や、絵を描く対象を見たときにその対象を認知する感覚がないからだと考えています。俗に言う「絵心のある人」は、ある風景を見たとき、そこから多くの情報を「理屈」ではなく、頭の中に感覚的にインプットします。その感覚のない人間は、同じ場面を見ても、そういった情報がインプットされません。従って自分の頭の中で見た場面がうまく再生できないのです。誰でも自分の苦手なものを考えてみると、何らかの理由で、ある部分の感覚が十分に身に付いていないため苦手意識をもちます。苦手だから避けます。避けて練習しないから感覚が育ちません。従ってさらに嫌いになります。このような「苦手分野を作るサイクル」
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