困ったお客様への返し方は「怒る」より「線を引く」
接客をしていると、たまに「それ、普通のお店でも同じこと言いますか?」と思うようなことを言われることがあります。
たとえば、
「今日はサービスしてね」
「もっと〇〇してくれるんでしょ?」
「短いコースだけど、長いコースと同じようにしてほしい」
「自分が行ける曜日や時間に合わせてほしい」
こういう言葉は、言っている本人に悪気がない場合もあります。
でも、受け取る側からすると、かなり負担になることがあります。
サービスというのは、要求されたら出てくる無料オプションではありません。
信頼関係や相性、その場の空気の中で自然に生まれるものです。
飲食店で考えるとわかりやすいと思います。
初めて行くラーメン屋さんで、
「今日は味玉サービスしてよ」
「常連さんにはチャーシュー増ししてるんでしょ?じゃあ自分にもしてよ」
「5,000円のコースだけど、20,000円のコースと同じ料理を出してよ」
とは、普通は言わないはずです。
常連さんに一品サービスがあるのは、何度も通ってくれて、感じよく接してくれて、お店との信頼関係があるからです。
それを初回から当然のように求めるのは、少し違います。
接客側も人間です。
感じよく接してくれる方には、自然と「この人には少し良くしてあげたいな」と思います。
逆に、最初から要求が多かったり、上から目線だったり、こちらのルールや都合を軽く見られたりすると、気持ちは離れてしまいます。
そういう時の返し方として、感情的に言い返す必要はありません。
たとえば、
「コース外のご要望はお受けしていません」
「サービスはあくまでこちらの判断になります」
「そのご希望でしたら、長いコースをおすすめします」
「当店のルールに合わない場合は、別のお店や別の方をご検討ください」
このくらいシンプルで十分です。
大事なのは、相手を説得しようとしすぎないこと。
話が通じる人なら、最初の説明で伝わります。
何度説明しても伝わらない人は、理解できないのではなく、そもそもこちらの線引きを受け入れる気がない場合もあります。
そういう人に時間を使いすぎると、自分の心が削られます。
接客業だからといって、何を言われても我慢しなければいけないわけではありません。
お客様を大切にすることと、自分を雑に扱う人まで受け入れることは別です。
むしろ、自分のルールをきちんと伝えることは、良いお客様を守ることにもつながります。
「この人とは気持ちよくやり取りできないな」と感じたら、無理に迎え入れなくていい。
違和感は、だいたい当たります。
接客で大事なのは、全員に好かれることではなく、気持ちよく関われる人と長く続けていくこと。
そのためにも、困ったお客様への返し方は「怒る」より「線を引く」。
これだけで、かなり心が楽になります。
なぁそんな私はバッサリ言ってしまうんですけどね(笑)