クレームメールが届くと、できるだけ早く返信したくなるものです。
検索して使えそうな例文を見つけ、そのまま使ったり、必要な部分を組み合わせたりしながら、自分の状況に合わせて書き直すこともあると思います。
例文は、文章を一から考えなくてよいので便利です。
ただし、そのまま使う場合も、いくつかの例文を組み合わせる場合も、先に対応方針が決まっていなければ、必要以上に責任を認めたり、相手が求めていない対応を案内したりすることがあります。
例文が想定している状況と、実際に起きていることが違えば、必要以上に責任を認めてしまったり、相手が求めていない対応を案内してしまったりすることがあります。
文章を書き始める前に、まず次の5つを整理しておくと、返信の方向が決めやすくなります。
1.実際に何が起きたのか
最初に整理したいのは、相手の言い方ではなく、起きた出来事です。
たとえば「商品が届かない」という連絡でも、
まだ配送途中なのか
配送完了になっているのか
住所に不備があったのか
店舗側で発送漏れがあったのか
によって、案内する内容は変わります。
相手のメールには、不満や推測も含まれていることがあります。
まずは注文履歴や発送状況などを確認し、事実を短く整理します。
2.確認できていることと、まだ分からないこと
事実確認が終わっていない段階で、原因や責任を断定する必要はありません。
確認できていることと、まだ調査が必要なことを分けておくと、言いすぎを防ぎやすくなります。
たとえば、相手に不便をかけていることにはお詫びをしつつ、
「現在、配送状況を確認しております」
「詳細を確認のうえ、改めてご案内いたします」
と伝えることもできます。
例文に強い謝罪表現が入っていても、状況が未確認なら、そのまま使わない方がよい場合があります。
3.相手が何を求めているのか
クレームの内容と、相手の希望が一致しているとは限りません。
不満を伝えたいだけなのか、交換を求めているのか、返金してほしいのか、すぐに商品を届けてほしいのか。
相手の要望が書かれていない場合は、こちらから確認する必要があります。
希望を読み違えると、丁寧に返信しても話が進みません。
メールの中から、相手が求めていることを一度抜き出してみると、返信に必要な内容が見えやすくなります。
4.こちらが対応できる範囲
相手の希望をすべて受け入れることが、適切な対応とは限りません。
返金できるのか、交換で対応するのか、追加の商品を送るのか、規約上対応できないのか。
自社の販売条件やモールのルールを確認し、対応できる範囲を決めてから文章にします。
先に文章を書き始めると、相手の勢いに引っ張られ、必要以上の約束を入れてしまうことがあります。
対応方針を決めてから文面を整える方が、内容がぶれにくくなります。
5.今回の返信で、どこまで進めたいのか
一通のメールですべてを解決するとは限りません。
今回の返信の目的が、
まず状況を確認すること
必要な写真や情報を送ってもらうこと
返品方法を案内すること
返金手続きを伝えること
対応できない理由を説明すること
のどれなのかを決めます。
返信の目的が決まっていないと、謝罪・説明・確認・案内をすべて詰め込み、長く分かりにくい文章になりがちです。
今回伝えることを絞ると、相手も次に何をすればよいか判断しやすくなります。
例文は「完成した答え」ではなく、文章の型として使う
無料で公開されているクレーム返信の例文は、書き出しや締め方を確認するには役立ちます。
ただし、例文に書かれている対応内容まで、そのまま自分の案件に当てはめる必要はありません。
例文を見る前に、
何が起きたか
何が確認できているか
相手が何を求めているか
どこまで対応できるか
今回の返信で何を伝えるか
を整理しておくと、使う表現と使わない表現を選びやすくなります。
文章を作るのは、その後です。
自分の案件に合わせた返信が難しいときは
例文を読んでも、
「どこまで謝るべきか分からない」
「相手の要求を断りたいが、角を立てたくない」
「確認中の段階で、何を伝えればよいか迷う」
ということもあります。
セラボでは、Amazon・EC事業者向けに、事実関係や希望する対応を伺い、実際の状況に合わせたお客様対応文・謝罪文・クレーム返信文を作成しています。
きれいな文章にするだけでなく、言いすぎず、謝りすぎず、相手に必要なことが伝わる形に整えます。