■『補助金』は『給付金』とは違う
補助金を、「申請すればもらえるお金」と思っていませんか?
そう思っていると、大きく裏切られることになります。
『持続化給付金』や『事業復活支援金』は、申請対象なら、「申請すればもらえるお金」でしたよね。
しかし、『補助金』は、そうではなく、『経費』のキャッシュバックです。
・『事業計画』を作らなければならない
・申請できても、半分ぐらいの事業者が落ちる
・いったん自費で、経費を払う必要がある
・経費を集計、『報告書』を作成・提出しなければならない
・申請から入金まで、どんなに早くても1年ぐらいかかる
このように、入金まで、いろいろやることがあり、なかなか大変なんです。
■『交付決定』以降に支払った経費のみが補助対象
よくあるご相談で、「既に支払ってしまっていますが、補助されますか?」というものがあります。
残念ながら、補助対象になりません。
補助金は、先に計画を出し、経費の計画の事前審査を受けておく必要があります。
その事前審査でOKになった状態を『交付決定』と言います。
この『交付決定』が出る前に支払った経費は、ほとんどの場合で、補助対象外です。
コロナ禍には、『交付決定』前に支払った経費を補助する仕組みもありましたが、現在、私が把握している限り、そういう補助金はありません。
■まずは『公募要領』を見て、経費を組み立てる
よく、「お勧めの経費を提案してください」と相談されます。
しかし、残念ながら、そんなものはありません。
せいぜい、店舗なら、「新聞折込・ポスティングはやりましょう」とご案内する程度です。
先ほど書いたように、補助金は、『経費のキャッシュバック』です。
単にお金がもらえるのではなく、キャッシュバックされない分は、自己負担になるわけです。
どんな内容の自己負担だったら納得できるか。
これは、まずは自分で考えてもらう必要があります。
その上で、「補助金を活用して、こういうことがやりたい」というような方向性が定まってきて初めて、私たちからも、「こういうこともやってみたら」というようなご提案ができるようになります。
ですから、まずは、きちんと『公募要領』を見て、どんな経費が対象になるかを見て、「どんなことをやりたい」と、自分で考えてみる必要があるのです。
■早めに『補助事業の手引き』を見ておく
採択されたら必ず。
できれば、計画申請前に、『補助事業の手引き』を見ておくようにしましょう。
採択されなければ、補助金はもらえません。
ですから、計画申請を外部に相談することは有益です。
一方、採択された後の、補助事業の実施は、通常は、外部に頼れません。
この補助事業の実施を、外部に頼ってしまうということは、その外部に、利益をガッツリ乗せられる可能性があるということです。
最悪の場合、『補助金をもらわないでやった方が、安く良いものが手に入った』ということだって起こりえます。
そうならないためにも。
補助事業の実施は、極力外部を頼らず、『補助事業の手引き』を見ながら、より有利な購入先を探して、実施することをお勧めします。
■代行申請を利用すると採択取消になるかも?
補助金の申請は、代行申請が認められていないのが通常です。
例えば、『事業計画の策定』や『補助事業の実施』については、外部の支援を頼ることも、当然に想定されています。
しかし、『公募要領』上、『代行申請は不可』となっていますから、注意が必要です。
実際、『事業再構築補助金』では、申請時のIPアドレスをチェックして、代行申請があったと考えられる場合には、一律不採択・採択取消とされているようです。
■さいごに
補助金は、もらえたら、間違いなくお得です。
とはいえ、税金からお金をもらう仕組みですから、楽に申請できるはずもありません。
ぜひ、しっかり『公募要領』を見て頂き、お得に申請できるよう、準備しておきましょう。