自閉症スペクトラムとは?

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コラム
今回は、自閉症スペクトラム(ASD)について、特性と対応をお伝えしたいと思います。

・自閉症スペクトラムについて

・自閉症スペクトラムの歴史的背景

・自閉症スペクトラムに対しての支援と方法


・自閉症スペクトラムについて
自閉症スペクトラムとは?
一般的に自閉症スペクトラムとは、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強制的な行動や儀式的な行動がみられる神経発達障害の一つとされています。
簡単にまとめると
〇社会適応(コミュニケーションや対人関係)
〇行動技能(癇癪やこだわりの強さ)
〇社会技能(ルールやマナー)
つまり社会性の障害とされています

しかし、自閉症スペクトラムの当事者としては
〇アレルギー(アトピー、アレルギー性の疾患、食べ物)
〇意図しない体の動き(不器用なところ)
〇胃腸の不調(下痢・便秘)
〇感覚に対する過敏
と身体の障害の方がメインとなっており、それは当事者が対人関係まで行きつかなく身体の問題の方が深刻であるといいます。

3つの症状
社会的困難・・・コミュニケーションの障害(空気が読めない、対人関係が築けない)
こだわり・・・興味行動の限定(特定の物へのこだわり、儀式的行動)
感覚の困難・・・感覚過敏・鈍麻(触覚・視覚・聴覚など)

社会的困難
対人交流・・・喜びや悲しみの感情を共有するのが苦手(対人交流が続かない・一人が好き・受け身である)
言語能力・・・独り言・おうむ返し・指示が通らない・不自然な敬語・皮肉やたとえ話が伝わらない
非言語能力・・・表情が読み取れない・アイコンタクトが通じない

こだわり
関心・・・特定の物に強い興味を持つ・反面それ以外の物にほぼ興味がない
やり方・・・特定の手順を繰り返すことにこだわる・常同的な動作を繰り返す
ペースを維持・・・他者にペースを乱されたくない→乱されるとストレス・パニック

感覚の困難
原始感覚の困難・・・触覚・固有覚・前庭覚の困難
識別感覚の困難・・・視覚・聴覚・味覚・嗅覚の困難
その他・・・時間感覚・温冷覚の困難

・自閉症スペクトラムの歴史的背景


自閉症スペクトラムとは一定の幅(スペクトラム)を持った症候群と考えられており以前は
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カナー型自閉症
高機能自閉症
アスペルガー症候群
広汎性発達障害(PDD)
と分類されておりました。しかし現在はこの分類は使用されず、すべて自閉症スペクトラムとして考えられております。

1940年~1960年(レオ・カナー):
自閉症+知的障害(古典的自閉症)=社会性・情緒の障害
1960年~(マイケル・ラター):
自閉症は言語の習得が遅い=言語・認知の障害
1980年(サイモン・バロン・コーエン):
他者視点で考えることができない=社会性の障害
2000年(ICF社会モデル):身体特性が似ている人同士では他者視点で考えられる=身体機能の障害・社会的少数派

このように時代の変化に伴って自閉症の考えは変わってきているのです。

・自閉症スペクトラムに対して支援と方法

環境設定・・・構造化(曖昧をつくらない)、感覚への配慮、ルール設定、視える化
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視覚支援・・・言語の困難への対応、イラスト、写真・動画などを交えて説明
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サポート道具・・・感覚刺激、時間の見通し、体幹のサポート
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心の理論=他者視点に立って考える力
定形発達の子供は4~5歳相当で獲得できる
自閉症スペクトラムの子は9歳相当で獲得できる

なぜか?

子どもの成長の中で、言葉の能力が伸びる=相手の気持ちを推測できるようになる

つまり!

言語の支援、語彙力支援が社会性の獲得に効果的な支援となるのです


声掛けの基本
「~しません」という行動抑制系の言葉は、本人が何をしてよいのかわからなくなる為、指示が入りにくい
「~します」とい言葉は、行動が明確な為、指示が入りやすい
行動を改善するには代替行動を教えることが大切

こんなときは何て言えばいいの?
・体を触ってくる子・・・体を触ってはだめです。代わりにぬいぐるみを触ります。
(スキンシップを求める子に対しては、ダメなことはしっかりと伝えながらもぬいぐるみは触ってよいと代替行動を教えます)


・掃除時間にサボる子・・・先生は雑巾で床を掃除します。〇〇さんは、箒で掃除をします
(先生の方が大人で目上の人などの立場が理解できていないことが多いため、役割を明確にし、平等の立場で話をします)

・廊下でボールを投げて遊ぶ子・・・窓に当たって割れたら、2万円の罰金です。外に行きなさい。
(ボールを投げてはいけないという善悪の区別をするのは難しい為、罰金が発生するなどの損得で伝えると理解しやすい)

では最後に言葉を獲得する支援とはなにか?
これは私も支援の現場でずっと考えてきたことなのですが、自閉症スペクトラムの特性を生かせば

テレビ番組(録画)やYouTube・アニメ、バラエティのDVDを日本語字幕をつけて見る!
なぜかというと
視覚理解の高い特性や決まったパターンを好む特性を生かし人の会話のように状況や感情で変化するよりも
毎回同じパターンで変わることのない内容(録画番組やDVD、YouTube)によって聴覚と視覚で同時にパターン化された言語情報を入れる
繰り返し見ることで、言語認識が進む!という子供にも私たち保護者や支援者にも大きな負担になりにくい方法こそが、ベストだと思います。

また今後も障害特性について伝えていければと思います。
また私の出品サービスでは、発達障害の特性や支援方法について個別に相談を受け付けておりますのでご覧になってください。


















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