言うことを聞かない親との関わり方

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親が高齢になると心配ごとが増え、つい何かとアドバイスしたくなるものです。

「転んで骨折でもしたら施設になるから一人で外に出ちゃだめだよ。」
「もう年なんだから運転は辞めなよ。」
「火事が心配だからIHにしなよ。」


しかし、そんなアドバイスをしても、親が受け入れてくれないことが多いのも事実です。
では、どうすれば親に受け入れてもらいやすくなるかを考えてみましょう。

親が子どもの言葉を受け入れにくい理由とは?



親がアドバイスを受け入れにくいのは、「自分を否定された」と感じるからです。
親は長年の経験や価値観を大切にしており、それを急に変えることに抵抗を感じるものです。


例えば、「年だから運転を辞めた方がいい」というアドバイスを受け入れることは、親にとって自分の能力を疑われているように感じるかもしれません。

親は「まだ元気だし、大丈夫」と思っているからこそ、強く反発することがあります。

親子だから気を遣わず言い合えるとは限らない
もちろん”親子だからこそ気を遣わず言いたいことを言える”というメリットはあります。

…でも実は、年を重ねるほど、親は言いたいことを言えなくなっている場合もあるんですよ。

なぜなら、できないことが増えて子供に気兼ねするからです。
あの時も心配をかけた。
きっとできないと思われているだろうと。

なので、気づけば自分と親では気遣いに温度差があり、それが拒否につながります。
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それでは、どうすれば親にアドバイスを受け入れてもらいやすくなるのでしょうか?

それは、共感と真似を使ったアプローチです。

親に受け入れられるためのアプローチ:安心感が大事

人は安心できる相手からの言葉には耳を傾けやすいもの。

例えば、あなたが海外に1人旅行したとします。
不安の中ツアーに参加したときに、たまたま隣の人が同じ地元の人だったとしたら妙な親近感がわいてきませんか。

また、趣味が同じ人たちとは共通の話題があるから仲良くなりますよね。
それと同じです。

似ていると安心する。

そして安心できると受け入れやすいのです。


そのため似ている点を増やし、安心しあえる関係になったときに提案。
一方的にアドバイスするよりは安心できる関係の中で提案をする。

親が自分で決められる余白を残しておくことが大切です。

そこで
1似ている点を増やす
2提案するという流れで話をします。

1 似ている点を増やす

まずそこで1似ている点を増やすですが、これは親の言動を真似ることです。

そんなこと?と思うかもしれませんが、私たち相談専門職が活用する立派な面接技術です。
心理学的には「ミラーリング」と言います。

ミラーリングを具体的に取り入れる

ミラーリングを取り入れていくにはここでは4つを紹介します。
① 同じ言葉を使う
親が「最近、腰が痛くてね」と言ったら、「腰が痛いんだね」とまずその言葉を繰り返す。
これにより、親は「自分の話をきちんと聞いてくれている」と感じ、安心感が生まれます。

② コミュニケーションのペースを合わせる 
年齢を重ねると、話すスピードがゆっくりになりがちです。
そのため、子ども側が話すスピードを親に合わせるだけで、会話がスムーズになります。

③動きを合わせる
仲が良いほど同じしぐさをしたり、同時に同じ言葉を発するようなことがあります。
これをシンクロすると言いますよね(^^)

おなじように、親の動作を自然に真似る(例えば、親が耳をかいたら自分も軽く耳に手を添える)ことで、無意識のうちに親近感を高めることができます。

④目線の高さを合わせる
親は立っていることが大変になるので座っている姿勢が多いです。
その中で立って話をすると見下しているような感じになります。
同じ目線で話すことが親の安心には大切なことです。

2提案する 

次に2の提案するです。
「こうしなきゃダメ」と否定的に伝えると、親は反発しがちです。

代わりに「こうしたほうがいいかもしれないね」とポジティブに伝えると、親も前向きに受け止めやすくなります。

最終的には「決めるのは親自身」というスタンスで話すと、親も安心して選択できます。

例えば、「病院に行ったほうがいいよ」ではなく、「一度お医者さんに相談してみるのもいいかもね。私もいっしょに行く?」などと伝えると、親が抵抗感なく受け入れやすくなります。

親との信頼関係を築くために大切なこと


親だから気兼ねなく話せるけど、うまくいかない。
そういうときは振り返ってみてください

一方的に指示していないかな?と。
自分の存在が親にとって安心感を与えているのだろうかと。

親に提案を受け入れてもらうにはまず安心してもらうこと。

そのためには親子関係を良くすること。

まずは親が安心し、信頼できる関係を築くことが大切です。


そのために、①親と似ている点を増やす②否定ではなく提案の形で伝える、という工夫を試してみてください。

少しの変化で、親の反応が変わり、より良い関係が築けるはずです。

親子の会話が穏やかになれば、提案もしやすくなり受け入れてくれる可能性は上がります。

ぜひ、できることから始めてみましょうね。


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