「ざっくりしたフィードバック」毒にはなっても薬にはならない

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ビジネス・マーケティング
こんにちは。
”現役人事のコーチング”をやっていますアサマルです。

いつも頑張ってるね
積極的でいいね
もうちょっと主体性が欲しいな

部下にこんな声かけをすることはないでしょうか?

マネジャーとしては、部下を労い、あるいは激励する
言葉だと思います。

ですが、こんなフィードバックをいつも繰り返していると、
上司と部下の関係性に悪影響があるかもしれません
今日はそんなお話です。


え~っと、私のことちゃんと見てくれてます?
「先期、部門ではこんなトピックスがあったね。
 大変だったけど頑張ったから、今回は、たまたま枠も取れて
 良い評価がつけられたよ。うん。

 あ、そういえばアサマルさんが今つけてる指輪の話なんだけどね…
 (その後は一気に雑談モードへ)」

これは数年前に、実際の評価フィードバックの面談の冒頭に
上司から私に投げかけられた発言です。

15分ほどの面談の中で、評価に関わるコメントは実に10秒ほど。
そのうち「私」に関する部分は・・・コメントの一体どこでしょう?

「適切な評価フィードバック」を推進する人事部において
こんなおざなりなフィードバックが行われたという
残念な事実もさることながら、
これほど自分の働きぶりを見ていない(ようにしか思えない)上司が
自分の評価をしているのかと、その時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。

このことがあって以来、
どんなに頑張っても(たとえ怠けたとしても)
この人は自分自身を適切に評価・支援してくれることはないだろう
という思いがぬぐい切れず、
その上司への信頼は、その時永遠に失ったのでした。


具体性がないフィードバックをしていませんか?
さて、私のゾッとするフィードバック面談の話はさておき、
この「大変だったけど、頑張ったね」という言い回し。

部下を労う言い回しとして便利なので、マネジャーの方は
実際に使うこともあるのではないでしょうか?

ここで、私がお伝えしたいのは、断じてこの表現はまかりならぬ!
ということではなく、その言葉だけで済ませてしまっていると
ちょっと危険だということです。

マネジャーからのフィードバックは、部下が目標達成のための
軌道修正をするために必要なものであるということを
前回記事でお伝えしました。


つまりフィードバックをフィードバック足らしめるのは
それが行動変容への気づきとして活用できるかだと思うのです。

前述の「大変だったけど、頑張ったね」だけでは、
好ましい行動を取ったことを認めてもらっている感じはありますが、
いつのどういった行動が好ましかったのか、部下には伝わりません

上司から褒められた嬉しさはあっても、
その場限りの言葉となってしまい、もったいないなと思うのです。

逆の好ましくない行動に対しても同じです。

例えば「もうちょっと主体性がほしいな」という言葉。
これも何となく良くないことを指摘されているのは感じますが、
具体的にどんな場面のどんな行動が「主体性がない」と判断されたのか
わからないので、どこを改善すればいいか部下は確信が持てません

いちいち一つずつ指摘しなくても、分かるだろう(分かってくれ)、
という声が聞こえてきそうです。
が、ここで言いたいのは、具体的な行動を全て指示してください
ということではなく、マネジャー自身がそれを感じた根拠として、
具体的なエピソードを部下と共有してほしいということなのです。


具体的なことを思いつかない時はちょっと待って

ここでもし、具体的には思いつかない、何となくそんな印象を持った、
ということであれば、何気なく本人にフィードバックするのは
ちょっと待ってください。

普段から、部下に関心を持って、行動をよく見ていなければ
具体的な事例を思いつくことはできません。
そういうマネジャーの姿勢は、部下からも透けて見えます。

最悪の場合、私のように上司を信頼できないと思う部下が
現れるかもしれません。

部下への労い・励ましのつもりで、フィードバックしたのに、
どうも部下に刺さっていないな、と感じたら
具体的なエピソードを添えてみる

一度試してみてください。


アサマルの”現役人事のコーチング”では、部下へのフィードバックを含む
部下との関わり方についても、一緒に課題解決のお手伝いをさせていただきます。
ご興味お持ちいただいた方は、お気軽にお問合せください。


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