日常のほんの小さな作業が、とてつもなく重たい荷物に感じられることってありませんか?
たとえば、冷蔵庫を開けてカラカラになった製氷皿を取り出し、水道から水を注いで静かに冷凍室へ戻す。
時間にしてほんの数秒、体力なんてほとんど使わないはずの作業ですよね。
それなのに、製氷皿を目にした瞬間「あぁ、またこれをやらなければいけないのか……」と大きなため息がこぼれてしまう。
「こんなことくらいで疲れるなんて、私(僕)は怠け者なのかな」なんて自分を責めてしまったこともあるかもしれません。
でも、どうか安心してくださいね。
これまで多くの方のお悩みに耳を傾けてきた心理カウンセラーとして、はっきりとお伝えしたいことがあります。
それは、あなたが怠けているからでも、心が弱いからでもないということです。
製氷皿に水を張るという作業そのものが重たいのではなく、あなたの心のタンクが、すでに限界近くまで満タンになっているサインなのです。
日々の生活の中で、私たちは無意識のうちにたくさんの「選択」や「気配り」、「我慢」を重ねています。
仕事で気を張り詰めたり、人間関係で相手の顔色を伺ったり、将来への不安に一人で押しつぶされそうになったり。
そうやって心が目に見えないエネルギーを消費し続けていると、心のキャパシティはどんどん狭くなってしまいます。
例えるなら、スマホのバッテリーが残り1%の状態で画面を開いているようなものです。
バッテリーが1%しかないときって、アプリをひとつ開くだけでも画面が固まったり、電源が落ちそうになったりしますよね。
心の状態もまったく同じなのです。
心の中が悩みや疲れでいっぱいになっているとき、脳は「これ以上、何かしらの負担を増やさないで!」と必死でSOSを出しています。
そのSOSが、「製氷皿に水を張る」というわずか数秒の作業に対する「重労働感」や「ため息」となって表れているだけに過ぎません。
だからこそ、「氷ひとつ作れないなんて」とご自分を責める必要はまったくありませんよ。
むしろ、「あ、今の私(僕)はそれくらい心が疲れ切っていたんだな」「よくここまで一人で頑張って歩いてきたな」と、ご自身の頑張りを優しく認めてあげてほしいのです。
そんな日は、思い切って製氷皿に水を張るのをやめてしまっても大丈夫です。
氷がなければ、常温のお水を飲めばいいですし、コンビニで買ってきた氷を使っても誰もあなたを責めません。
「ちゃんとしなきゃ」「完璧にこなさなきゃ」という思い込みをひとつ手放すだけで、心にはふわっと小さな隙間が生まれます。
日々頑張りすぎてしまうあなただからこそ、どうかそのため息を「自分を労わる合図」として受け取ってみてくださいね。
温かい飲み物を淹れて、好きな音楽を聴きながら、まずは固くなった心と体をゆっくりと緩めてあげましょう。
僕は、あなたが今日まで懸命に生き抜いてきたこと、それだけで本当に素晴らしいことだと感じています。
焦らず、無理をせず、自分のペースで少しずつ心を休ませてあげてくださいね。
あなたの心が、一日も早くやわらかな温もりで満たされることを、心から願っています。