自動ドアの向こうで「あれ?」となったあなたへ。脳のパニックをやさしく解きほぐすお話

自動ドアの向こうで「あれ?」となったあなたへ。脳のパニックをやさしく解きほぐすお話

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コラム
スーパーの自動ドアをくぐった瞬間、まばゆいばかりの店内の明るさと、賑やかに流れるBGMの音波が押し寄せてきて、脳の処理が一瞬で追いつかなくなってしまうことってありませんか。

さっきまで「今日はカレーにしようから、玉ねぎとニンジンを買わなきゃ」なんてしっかり考えていたはずなのに、足を踏み入れためぐり合わせの瞬間、頭の中が真っ白になって「あれ、僕(私)は何をしにここへ来たんだろう」と立ち尽くしてしまう。

カゴを手にしたまま、入口付近でぽかんと立ち止まってしまう自分に気づくと、「なんだか最近、疲れやすくなっているのかな」とか「物忘れが多くなったのかな」と、ちょっぴり不安な気持ちになってしまうかもしれませんね。

でもね、まず最初にお伝えしたいのは、これはあなたの記憶力や脳の機能に何か問題があるわけでは決してないということです。

僕たちが暮らしている現代社会は、想像以上に五感への刺激に溢れています。

特にスーパーマーケットという場所は、商品を一番魅力的に見せるための強い照明が照らされ、購買意欲を高める賑やかなBGMやアナウンスが絶え間なく響いています。

静かな屋外や落ち着いた車内から、一歩その空間に入った瞬間、僕たちの脳は「ものすごい量の情報」を同時に受け取ることになるんです。

視覚からは眩しい光と無数の色彩、聴覚からはメロディや声、皮膚感覚からはクーラーの冷気。

これだけの刺激が一気に入ってくると、脳の情報処理エンジンは一瞬だけオーバーヒートを起こしてしまいます。

心理カウンセラーとして多くの方のお悩みをお聞きしていると、このように日常の小さな刺激で頭がフリーズしてしまう方は、とても感受性が豊かで、周りの環境を深く繊細に受け取ることができる心を持っていることが多いと感じます。

脳が外部からの情報を丁寧に拾い集めようとしてくれるからこそ、一時的に「目的のメモ(買い物リスト)」が脇に置かれてしまうだけなのです。

だから、入口で立ち尽くしてしまったときは、「あぁ、僕の脳はいま一生懸命この空間の情報を処理しようとがんばってくれているんだな」と、優しく受け止めてあげてくださいね。

そんなときは、焦って思い出そうとしなくても大丈夫です。

一度お店の隅や邪魔にならない場所にそっと移動して、深く息を吐き出してみましょう。

カゴを持つ手に少しだけギュッと力を入れてみたり、足の裏が地面に着いている感覚に意識を向けたりしてみてください。

感覚を自分の身体に戻してあげることで、興奮気味だった脳のネットワークが少しずつ落ち着きを取り戻していきます。

「買い物を忘れるくらい、今日の自分はすでにたくさん頑張って脳を使ってきたんだな」と、自分を労わってあげるきっかけにしてみるのも素敵ですね。

店内をゆっくり一歩ずつ歩いているうちに、ふとしたきっかけで「あ、そうだ、玉ねぎだった!」と思い出せることもあれば、もし思い出せなくても、その日おいしそうに見えたものを直感で選んで帰るのもひとつの豊かな選択です。

立ち止まってしまった自分をどうか責めずに、その繊細でやさしいセンサーを持っている自分自身を、誇りに思ってあげてくださいね。

あなたの毎日が、少しでも軽やかで心温まるものになりますように。

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