新しい場所やコミュニティへ足を踏み入れるとき、心臓がトクトクと高鳴ってしまうことはありませんか。
服装はこれで大丈夫かな、持ち物に失礼はないかな、挨拶のタイミングは……と、何十回、何百回とシミュレーションを繰り返して、当日を迎える前にへとへとに疲れてしまう。
そんな経験をしている方は、決してあなただけではありません。
僕のもとへ相談に来られる方の中にも、同じように「事前の準備に力を注ぎすぎて、本番ではエネルギーが空っぽになっている」という方がたくさんいらっしゃいます。
なぜ、そんなにまでシミュレーションをしてしまうのでしょうか。
それは、あなたがそれだけ「相手に対して失礼でありたくない」と強く願っているからです。
周囲の人を大切に思っているからこそ、誰かに不快な思いをさせたくないという深い配慮が、あなたの心の中にあるのですね。
それは、とても繊細で温かい優しさです。
でも、その優しさが、時にあなた自身の首を絞めてしまっているのかもしれません。
想像してみてください。
もし、あなたの友人が、あなたに会うために服装や持ち物を何十回もシミュレーションして、疲労困憊で現れたとしたら、あなたはどう思いますか。
きっと、「そんなに気を使わなくてもよかったのに」と、少し切なくなってしまうのではないでしょうか。
あなたが相手に対して抱く「失礼があったらどうしよう」という不安は、裏を返せば「相手に良く思われたい」「いい関係を築きたい」という前向きな願いでもあります。
シミュレーションをすること自体が悪いことではありません。
ただ、その「準備」という名の重荷を、少しずつ降ろす練習をしてみませんか。
たとえ服装が少し浮いてしまっても、持ち物が完璧でなくても、それが原因であなたの価値が否定されることはありません。
むしろ、少しの隙や、飾らない素の姿のほうが、相手との距離を縮めてくれることもあります。
完璧な準備を目指すのではなく、「まあ、なんとかなるかな」「失敗しても、それはそれで新しい体験だし」と、自分自身に少しだけ許可を出してあげてください。
あなたは、十分に頑張っています。
新しい場所に飛び込もうとするその勇気だけで、もう十分すぎるほど素敵なんです。
当日、たとえシミュレーション通りにいかなくても、それは準備不足ではなく、あなたがその場に「生身の自分」として向き合えたという証拠です。
次回のコミュニティへの参加や、新しい場所へ出かける前には、まずは深呼吸をひとつ。
そして、「準備をしなくても、私は私で大丈夫」と、心の中で優しく自分に声をかけてみてくださいね。
僕も心理カウンセラーとして、そんな繊細で優しいあなたの心を守り、支えていきたいと思っています。
あなたのその繊細さは、これからの人生で誰かを救う温かな力に変わっていくはずですから。