静まり返った部屋のなか、机の上には一冊のノート。
引き寄せの法則を信じて、大好きなあの人の名前を何度も何度もペンで書き進めていく。
ふと、文字を綴る自分の手元を見つめた瞬間、「私、もしかしてすごく怖いことをしているんじゃ……」と急に我に返ることがあるかもしれません。
あんなに大好きで、もう一度やり直したいという一縷の望みにすがりたい気持ち。
それと同時に、客観的に自分を見たときに湧き上がる「執念の恐ろしさ」のようなもの。
その二つの感情の間で激しく揺れ動いては、「どうして私はこんなに執着してしまうんだろう」と、激しい自己嫌悪の往復ビンタを食らっているような気持ちになっていませんでしょうか。
夜が来るたびに、苦しくて、悲しくて、そんな風に自分を責め立ててしまう時間は本当に体も心も削られてしまいますよね。
でもね、まずはそのノートをそっと閉じて、深呼吸をしてみてください。
心理カウンセラーとして、僕は声を大にして伝えたいのですが、あなたは決して怖い人でも、異常な執着心の持ち主でもありません。
それだけ誰かを心から愛して、自分のすべてを捧げるほど純粋に人を想うことができる、とっても優しくて温かい心の持ち主なのです。
繊細な気質を持つ方は、一度人を好きになると、そのお相手と心の深い部分でしっかりと繋がろうとします。
だからこそ、その繋がりが切れてしまったときの痛みや喪失感は、想像を絶するほど大きくて深いものなのです。
心がちぎれそうなほどの寂しさから逃れたくて、どうにかしてあの頃に戻りたいと願うのは、人間として、そして繊細さんとして、ごく自然な心の防衛反応なんですよ。
ノートに名前を書くという行動は、あなたのなかにまだそれだけ溢れるほどの愛情と、前に進みたいというエネルギーが残っている証拠でもあります。
ただ、そのエネルギーの行き先が、ちょっぴり迷子になってしまっているだけなのです。
自分で自分の姿を「怖い」と感じてショックを受けたということは、あなたのなかに冷静で客観的な、もう一人の優しいあなたが存在しているということです。
客観的に自分を見つめられる冷静さがあるからこそ、そのギャップに苦しんでしまうんですよね。
でも、どうかその冷静さを、自分を叩くための武器にしないでくださいね。
「それだけ彼のことが大好きだったんだね」「そこまで必死になるくらい、心が傷ついているんだね」と、まずは自分のその強い想いを、そのまま丸ごと抱きしめてあげてほしいのです。
引き寄せようと必死になればなるほど、実は心の中は「今、彼がいない」という不足感でいっぱいになってしまい、余計に苦しくなってしまうこともあります。
今回は、少しだけペンを置いて、お気に入りの温かい飲み物でも飲みながら、傷ついたご自身の心を最優先で労ってあげませんか。
あなたがまた、心からの笑顔を取り戻せる日を、僕はいつも応援しています。