「疲れたからもう寝るね」
大好きな人からそんなメッセージが届いて、会話が途切れたあとの静かなお部屋。
本当は「おやすみ」って素直に受け入れて、自分もあたたかいお布団に入れたら一番いいのに、どうしても心がざわざわしてしまう。
気づけば、指が勝手に相手のSNSを開いて、数分前に更新されていないか、誰かの投稿にいいねをしていないかを確認しにいっている。
そんな自分に気づいて、「どうして私はこんなに疑り深いんだろう」「相手を信じられない最低な人間なのかな」って、自分を責めて苦しくなっていませんか。
タイムラグかもしれない、ただの気まぐれかもしれない投稿を見つけては、「私と会話するエネルギーは残っていなかったんだな」と、胸が締めつけられるように痛んで、一人で枕を濡らす夜もありますよね。
心理カウンセラーとして、僕はこう考えています。あなたがそんな風に相手の足跡を探してしまうのは、あなたがけっして執念深いからでも、めんどくさい性格だからでもありません。
それほどまでに相手のことを深く愛していて、失うのが怖くて、そして自分の存在を丸ごと受け入れてもらえているかどうかが、とても大切だからなんです。
繊細な気質を持つ方は、言葉の裏側にある空気や、ほんの少しのニュアンスの違いを人一倍敏感にキャッチしてしまいます。
だからこそ、「疲れたから」という言葉が、文字通りの意味だと頭ではわかっていても、「もしかして私との会話が退屈だったのかな」「嫌われちゃったのかな」と、悪い方へ悪い方へと想像が膨らんでしまうんですよね。
SNSという、相手の「今」がなんとなく見えてしまうツールがあるからこそ、その不安を打ち消したくて、安心したくて確認しにいってしまうのは、ごく自然な心の防衛反応なんです。
ただ、ここで少しだけ立ち止まって、僕と一緒に考えてみてほしいことがあります。
相手が「疲れたから寝るね」と言ったとき、それはあなたを嫌いになったわけでも、あなたを拒絶したわけでもないことがほとんどです。
人と一対一でメッセージのやり取りをするのって、実はとても大きなエネルギーを使います。
特に大好きな相手であればあるほど、失礼のないように、喜んでもらえるようにと、頭も心もフル回転させて言葉を選んでいるものです。
一方で、SNSをぼーっと眺めたり、タイムラインに流れてきたものにいいねを押したり、ちょっとした独り言を呟いたりするのは、誰とも繋がっていない、ただの「脳のアイドリング状態」だったりします。
あなたと会話するエネルギーは切れてしまったけれど、そのまま眠りにつくまでのほんの数分間、何も考えずにスマホを眺めていただけ、ということが本当によくあるのです。
決して「あなたよりもSNSを優先した」わけではなく、ただ「あなたと向き合うための大切なエネルギーを使い果たした」だけなんですよね。
それくらい、あなたとの時間は相手にとっても濃密で、特別だったのかもしれません。
そうは言っても、一度火がついてしまった不安の炎は、なかなかすぐには消えないものです。
そんなときは、スマホをそっと裏返して、まずは深く深呼吸をしてみてください。
そして、「今日も私は一生懸命、人を好きになれたんだな」「不安になっちゃうくらい、あの人のことが大好きなんだな」って、自分のその健気な気持ちを優しくハグしてあげてください。
信じられない自分を責める必要はまったくありません。
少しずつ、あなたの心が夜の静けさの中で、ホッと安心できる瞬間が増えていくことを、僕は心から願っています。