大好きな人と一緒に歩いているとき、ふと手が触れそうになって、思わず指先を引っ込めてしまったことはありませんか?
「手を繋ぎたい」という気持ちはあるのに、いざ繋ごうとすると、自分の手のひらがじわっと汗ばんだり、心臓の音が耳元まで聞こえてくるくらいバクバクしたりして。
そのドクドクという高鳴りが、繋いだ手を通して相手に伝わってしまうのが、たまらなく怖くなってしまうんですよね。
「あ、この人いま緊張してるな」とか「動悸がすごいな」なんて思われたらどうしようと不安になって、結局、自分から距離を置いてしまう。
そんなとき、あなたはきっと「手を繋ぐ」よりも「腕を組む」方を選びたくなるのではないでしょうか。
心理カウンセラーとして、僕はその感覚をとても大切で、切実な防衛本能だと考えています。
繊細な気質を持つ女性にとって、肌と肌が直接触れ合う「手」という場所は、あまりにも多くの情報をやり取りしすぎてしまうスポットなんです。
手のひらは「露出した脳」とも呼ばれるくらい敏感な場所ですから、相手の体温や脈拍がダイレクトに流れ込んでくるし、逆に自分の内側の震えも筒抜けになってしまうような気がしてしまいます。
だからこそ、あえてコートの袖越しだったり、腕の筋肉の厚みがある場所を選んで「腕を組む」という選択をする。
それは、自分と相手との間に「安心できるクッション」を挟んでいるような状態なんですよね。
僕は、その少しだけ厚みのある触れ合い方は、あなたが自分自身を守るための、とても賢くて優しい工夫なのだと感じています。
「ストレートに手を繋げない私は、愛情が薄いのかな?」なんて悩む必要はまったくないんですよ。
むしろ、それだけ相手のことを意識して、自分の見え方を大切にしたいと思うほど、相手を大切に想っている証拠ですから。
腕を組んで、相手の二の腕の確かな存在感を感じながら、自分の心臓の音は自分だけの秘密にしておく。
そうやって「少しの遮断」があるからこそ、安心して隣を歩けるという感覚は、繊細さんにとっての大切な心の安全基地なんです。
もし、隣を歩く彼が「どうして手を繋いでくれないの?」と不思議そうな顔をしたら、少しだけ甘えて伝えてみるのもいいかもしれません。
「腕を組んでいる方が、あなたの隣にいる実感が湧いて落ち着くんだ」って。
ありのままの自分をさらけ出すことだけが愛ではなく、自分が心地よくいられる方法で、隣に居続けることも立派な愛の形だと僕は確信しています。
自分の動悸に怯えなくていい、あなたらしい触れ合いのペースを、これからもゆっくりと守っていってくださいね。
その小さな「厚み」が、いつかあなたにとって、世界で一番安心できる境界線になるはずです。