「いつか、私をまるごと受け入れてくれる運命の人に会えるはず」 そう信じて、窓の外を見つめながらそっと願いをかける時間は、とても美しくて尊いものです。
でも、心理カウンセラーとしてたくさんの方の心に触れてきた僕は、少しだけ違う景色も見つめています。 実は、幸せな「縁」をしっかり掴んでいる人たちは、ただ待っているだけではないんです。 彼らは、運命という名のバスが自宅の前に止まるのを待つのではなく、自分からバス停までトコトコと歩いていく。 そんな「ほんの少しの勇気」を大切にしています。
僕は、運命と「縁」は似ているようで、少しだけ違う性質を持っていると考えています。 運命は、空から降ってくる雨のようなもので、自分ではコントロールできないもの。 一方で「縁」というのは、自分で耕した土に、自分で種をまいて、ようやく芽吹く植物のようなもの。 待っているだけではお花は咲きませんが、自分から土に触れ、水をやり、一歩踏み出すことで、そこには確かなつながりが生まれます。
人間関係や恋愛で悩んでいるとき、私たちはどうしても「自分にぴったりの答え」が向こうからやってくるのを期待してしまいがちです。 「誰かが私の寂しさに気づいてくれないかな」「誰かが私を連れ出してくれるのを待とう」 そうやって立ち止まっている時間は、心が守られているようでいて、実は少しずつ孤独を深めてしまうこともあるんですよね。 そんなときは、壮大な「運命」を探すのは一度お休みして、自分から「縁」を編みに行くことを意識してみてください。
「一歩歩く」といっても、いきなり人生を変えるような大きな決断をする必要はありません。 例えば、いつもは素通りしていたお店にふらっと寄ってみる。 久しぶりの友人に「元気?」と短いメッセージを送ってみる。 あるいは、勇気を出して自分の「好き」を周りに言葉にして伝えてみる。 そんな、日常に溶け込むような小さなしるしでいいんです。
僕は、あなたのその小さな一歩が、見えない糸を引き寄せる強い力になると信じています。 あなたが動くことで、止まっていた空気はふわりと流れ出し、新しい出会いや気づきがあなたの元へ流れ込んできます。 それはまるで、パズルのピースを自分で一つ置くことで、隣のピースがどこにあるのかが急に見えてくるような感覚に似ているかもしれません。
「もし拒絶されたらどうしよう」「一歩踏み出して失敗したら怖い」 そんなふうに不安が足元にまとわりつくときは、どうか自分を責めないでくださいね。 怖さを感じるのは、あなたが自分の人生をそれだけ大切に想っている証拠です。 そんなときは、深呼吸をひとつして、「今日は縁の種をまくだけで十分」と自分に優しく声をかけてあげてください。
完璧な運命の人を待ち焦がれて100日過ごすよりも、自分から「こんにちは」と笑いかけて作った1日の縁のほうが、あなたの心を温めてくれることがあります。 世界は案外、あなたが手を伸ばしてくれるのを待っているのかもしれません。 自分から歩み寄って作った縁は、あなたの人生に彩りを与え、何にも代えがたい宝物になっていくはずです。
今のあなたが抱えている不安や寂しさが、いつか誰かと手をつなぐための「きっかけ」に変わりますように。 僕は、あなたが勇気を出して踏み出すその一歩を、いつでも心から応援しています。 あなたは一人ではありません。 一歩、また一歩と歩いた先には、想像もしていなかった温かな世界が広がっていますよ。