「正しいこと」をしているのに、眠れない
「寝る前にこれがいいと聞いて試しています」
「質を高める方法をいくつもやっているんですが、全然眠れなくて」
こんなふうに、睡眠のために「正しいこと」をたくさん実践しているのに、うまくいかない。
早く寝る。
寝る前のスマホをやめる。
運動もする。
ストレスも減らす。
全部やらなきゃいけない気がして、でも何から手をつけていいか分からない。気づけば、眠れない理由探しばかりに時間を使ってしまっている——。
そんな状態になっていませんか?
最近、睡眠に関する情報はずっと身近になりました。「よく寝ないと健康に悪い」「短時間睡眠は寿命にも関係する」といったニュースを見て、ちゃんと眠れるようになりたいと思う人が増えています。
この流れ自体は、とても良いことです。
でも一方で、「いい睡眠」ばかりに意識が向きすぎて、かえって苦しくなっている人も、少なくないように感じています。
そう相談してくる人は、実はとても多いです
実際、私のもとに相談に来られる方の多くが、こう話されます。
「全部ちゃんとやらないと、意味がない気がして」
「眠れない=自分の生活が全部ダメなんだと思ってしまう」
一つひとつの対策は、理にかなっていることも多いんです。
でも、それを全部同時に直そうとしてしまったり、睡眠のことばかり考えてしまって、日中の状態にまで目が向かなくなっている。
結果として、何も変えられないまま、時間だけが過ぎていく。
それが、いちばんしんどいんですよね。
眠れないことそのものよりも、「どう考えればいいのか分からない」状態になっていることが、多くの人を苦しめているように感じています。
頭の中はずっと忙しいまま。正しいことをやっているはずなのに、うまくいかない。
その焦りと混乱、私はたくさん見てきました。
先に必要なのは「改善」ではなく「整理」でした
そんな方々と向き合う中で、私が気づいたことがあります。
それは、先に必要なのは「改善」ではなく「整理」だということです。
実際に、相談を受けたときにまず行うのは、改善策の提案ではありません。
全部を一度に変えようとしないこと。
今は「眠れない理由探し」を、いったん止めること。
そして、
- 今、何がいちばんしんどいのか
- 何を考えると、余計に混乱してしまうのか
そこだけを一緒に確認することから始めます。
すると、こんな声をいただくことが多いんです。
「全部を治さなくていいと思えたら、少し気持ちが楽になりました」
治す前に、まず整理する。
この順番を変えるだけで、多くの人が前に進み始めることができました。
具体的には、この3つから始めてみてください
では、具体的にどうやって「整理」をしていけばいいのか。
私がいつも提案しているのは、次の3つのステップです。
①「今いちばんしんどいこと」を1つだけ書き出す
全部の問題を並べる必要はありません。今、あなたが最も苦しいと感じていることを、1つだけ言葉にしてみてください。
例:「夜中に目が覚めてしまうこと」「朝起きられないこと」「寝る前に不安になること」
②「やらなくていいこと」を決める
睡眠改善のためにやっていることを、リストアップしてみてください。
その中で、「今は手放してもいいかも」と思えるものを1つ選んでみましょう。
全部やらなくていい。今は、これだけやらないと決めるだけでも、頭の中が少し軽くなります。
③誰かと一緒に話してみる
一人で考えると、どうしても同じ場所をぐるぐる回ってしまいがちです。
家族、友人、専門家——誰でもいいので、今の状態を言葉にして話してみてください。
話すことで、自分が何に引っかかっているのかが見えてくることがあります。
今この瞬間が、立ち止まるタイミングかもしれません
もし今、あなたが
「何をやってもうまくいかない」
「考えれば考えるほど、混乱してしまう」
そう感じているなら、今この瞬間が、立ち止まるタイミングかもしれません。
このまま頑張り続けても、頭の中は忙しいままです。
でも、一度立ち止まって整理することで、次の一歩が見えてきます。
「いつか落ち着いたら考えよう」と先延ばしにしていると、日々の疲れだけが積み重なっていきます。
今、少しだけ時間をとって、自分の状態を整理してみる。
それが、これからのあなたにとって、いちばん楽になれる選択かもしれません。
まずは、今日から始められることから
眠れないとき、「何をすればいいか分からない」と感じるのは、決して珍しいことではありません。
治す前に、まず整理する。
睡眠の相談は、そこからでいいと私は思っています。
今日から始められることがあります。
紙でも、スマホのメモでもいいので、まずは「今いちばんしんどいこと」を1つだけ書いてみてください。
それだけでも、頭の中が少し整理されるはずです。
もし一人で考えるのが少しつらくなっているなら、誰かと一緒に整理する、という選択肢があってもいいのかもしれません。
全部を治さなくていい。
まずは、今の自分の状態を知ること。
そこから、一緒に始めましょう。
睡眠の悩みは、一人で抱え込まないでください。少しでも楽になるヒントが見つかりますように。