【前編】うつは「優しさ」でできている-当たり前を奪う病と、焦らない回復の道しるべ
うつ病に直面したとき、多くの人は自責の念に深く苦しめられます。「なぜ自分がこんな目に遭うのだろう」「もっとできたはずだ」「自分の頑張りが足りないせいだ」「同期や先輩、後輩たちは生き生きと働いているのに」と、やるせない思いを抱えることもあるでしょう。 それもそのはずです。実は、うつ病にかかる人は、他人の気持ちを思いやり、自分よりも周囲を優先してしまうような「優しさ」を持っていることが多いのです。 しかし、どれほど悔やんだとしても、うつ病は立派な脳の機能障害です。 残念ながら、病気になる前の状態に時計の針を巻き戻すことは、極めて困難だと言わざるを得ません。 だからこそ、その優しさを自分自身にも向けて、新しい人生の歩み方を開拓していくことが何より望まれます。 では、いわゆる「うつ病のリアル」とはどのようなものなのでしょうか。 今回は、なかなか人には聞きづらい、少しセンシティブな問題にも触れてみたいと思います。 うつ病の急性期において、何より重要なのはとにかく「脳」を休ませることです。 まずは信頼できる心療内科医と出会い、適切なお薬を処方してもらい、「ひたすら眠る」ことに専念してください。 大げさでもなんでもなく、蒼俊も発症当時は1日に20時間近く眠っていました。 起きている残りの4時間も、基本的には「何もできません」。 食事をとり、トイレに行き、心療内科に通うのが精一杯です。 洗濯機を回すこともできず、ごみも捨てれず、お風呂にさえ入れないのです。 うつによる脳へのダメージは、私たちが普段当たり前に行っている「日常生活」を、いとも簡単に奪い去ってしまいます。 そのような姿を見れば、
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