好きな本と孤独について
淋しいひとりぼっちの夏だった。ぼくは暗い階段を降り続ける。階段は限りなく続いている。そろそろ地球の中心まで達したんじゃないか、という気がするくらい。でもぼくはかまわずどんどん下降していく。まわりで空気の密度や重力が徐々に変化していくのがわかる。しかしそれがどうしたというのだ?たかが空気じゃないか。たかが重力じゃないか。 そのようにして、ぼくは更に孤独になる。村上春樹 『街とその不確かな壁』より*孤独って何だろう?
20代の頃はとても孤独だったな、と思う。
その当時の私がよく感じていたことは、誰と話していても深いレベルで分かり合える気がしない、ということ。その、深いレベルで分かり合えないだろう、ということがとても孤独だった。みんな楽しそうで、幸せそうで、きらきらしていて、自分が抱えている悲しみなど誰にも理解してもらえないのだろう、と諦めていた。友人はいたけれど、誰とも大切なことを話さなかった。私自身が奥に閉じ込めていただけなのに、私自身が自分の大切な想いに触れようとしなかっただけなのに、外側のみんなが何も共感してくれない人間であるかのように、今思えば投影していたのだと思う。きっとたくさんのものをみんなから与えてもらっていた。与えてもらえないものがあるとしたら、それは自分自身で深めていかなければいけないものなのだろう。きっとそこにひとりで立つことをとても恐れていたのだと思う。外の人に全てを完璧に与えてもらおうとしていると、いつまでも孤独感は消えないのだと思う。私はいつもこのことを考えるとき、パズルのピースのことが思い浮かぶ。誰かが自分の欠けたピースをそっくりそのまま与えてくれ
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