こんにちは。食品メーカーでSCM(サプライチェーンマネジメント)を5年経験してきたHです。
SCM人材の不足は多くの企業が感じている課題ですが、その原因を掘り下げてみると、実は「採用」だけの問題ではないケースがほとんどです。
今回は、SCMの現場にいる立場から、人材不足に悩む企業が見落としがちな3つのポイントをお伝えします。
1. SCMに必要なスキルを誤解している
「数字に強い人を採ればSCMは回る」——これは現場の実感とズレがあります。
確かにSCMでは毎日数字を扱います。在庫回転率、予測誤差、安全在庫の算出。でも、求められるのは高度な計算力ではなく、数字の裏にある状況を読み取る力です。
たとえば「在庫回転率が先月3.2から2.8に落ちた」という数字を見たとき、「どのカテゴリが滞留しているのか」「季節要因なのか、予測ミスなのか」と原因を推測できるかどうか。これは数学の能力ではなく、現場への理解と想像力の問題です。
もう一つ大事なのが、不確実な状況で判断を下す力です。需要予測は外れるのが前提。完璧な情報が揃うのを待っていたら、発注も生産計画も間に合いません。「今ある情報で、たぶんこれがベスト」と意思決定できる人材が、SCMでは最も重宝されます。
採用要件を「データ分析スキル」や「Excel上級」に限定してしまうと、本当に活躍できる人を見逃す可能性があります。
2. 業務が属人化していることに気づいていない
SCM人材が「育たない」と感じている企業に共通するのが、業務の属人化です。
需要予測の方法がベテラン担当者の頭の中にしかない。安全在庫の基準が「なんとなくこれくらい」で決まっている。発注のタイミングが担当者の感覚に依存している。
こういう状態では、新しい人が入っても引き継ぎようがありません。結果として「やっぱり前の担当者じゃないとダメだ」となり、人材が育たないまま同じ問題が続きます。
解決のカギは、業務を「仕組み」に落とすことです。
予測精度をMAPE(平均絶対パーセント誤差)で毎月トラッキングするシートを作る
安全在庫の計算ロジックをExcelに組み込んで、誰でも更新できるようにする
発注判断の基準を「在庫日数が○日を切ったら」とルール化する
特別なシステムは不要です。Excelのフォーマットを整えるだけでも、属人化は大幅に解消できます。
3. 「外部の知見を使う」という選択肢を持っていない
SCM人材を社内で採用・育成するのは、時間もコストもかかります。
特に中小企業の場合、SCM専任のポジション自体がないことも多く、「営業が兼務で在庫管理をしている」「工場長が感覚で生産計画を立てている」というケースは珍しくありません。
こういった状況では、外部のSCM経験者の知見を部分的に活用するという方法が有効です。
たとえば——
今の在庫管理のやり方に問題がないか、第三者の視点でチェックしてもらう
需要予測のExcelフォーマットを、実務経験者に作ってもらう
業務フローの整理や改善ポイントの洗い出しを、スポットで依頼する
フルタイムのSCM人材を採用しなくても、ピンポイントで外部の力を借りることで、業務の質を上げることはできます。
まとめ
SCM人材の不足は「採れない」だけが原因ではありません。
必要なスキルの定義がズレている
業務が属人化していて、誰がやっても回る仕組みになっていない
外部の知見を活用するという発想がない
この3つを見直すだけでも、状況は変わります。
SCMの業務改善、ご相談ください
私は食品メーカーのSCM部門で、需給管理・在庫適正化・販売予測の業務に5年間携わってきました。
その経験をもとに、以下のサービスを提供しています。
Excel業務フォーマット作成:在庫管理、需要予測、発注判断シートなど、現場で本当に使えるExcelツールを作成します
SCMコンサルティング:需給管理の業務フロー改善、属人化の解消、予測精度の向上など、課題に合わせたアドバイスを行います
「うちの在庫管理、このままで大丈夫?」という簡単なご相談からでも大歓迎です。お気軽にメッセージください。