論文や学会誌へ投稿した後、査読コメントが返ってくると、
「こんなに修正が必要なのか……」
と驚くことがあります。
しかし実際には、査読コメントの内容にはある程度共通した傾向があります。
今回は、看護研究や学術論文でよく見られる査読コメントを10項目紹介します。
事前に知っておくことで、論文作成時にも役立つはずです。
① 研究目的が不明確である
非常によく見られる指摘です。
査読者は、
「この研究は何を明らかにしたいのか」
を最初に確認します。
目的が曖昧だと、その後の方法や考察も評価しにくくなります。
② 先行研究の整理が不足している
なぜこの研究が必要なのかが十分に説明されていない場合に指摘されます。
先行研究との違いや研究の新規性を示すことが重要です。
③ 研究デザインの説明が不足している
例えば、
横断研究
質的研究
半構造化面接
などの方法が十分説明されていない場合です。
研究方法は再現可能なレベルで記載する必要があります。
④ 対象者選定の根拠が不明である
「なぜこの対象者なのか」
「対象者数は適切なのか」
といった点が問われます。
特に質的研究では指摘されやすい項目です。
⑤ 統計解析方法の説明が不足している
看護研究でよく見られます。
例えば、
なぜその検定を選択したのか
正規性は確認したのか
多重比較はどうしたのか
などです。
統計結果だけでなく、解析方法の説明も重要です。
⑥ 方法と結果が混在している
非常に多い指摘です。
方法では、
「どのように調査したか」
結果では、
「何が分かったか」
を記載します。
この区別が曖昧になると指摘されやすくなります。
⑦ 結果の解釈が飛躍している
結果から直接導けない内容を書いてしまうケースです。
考察では、
「可能性がある」
「示唆された」
など慎重な表現が求められます。
⑧ 先行研究との比較が不足している
考察でよく指摘されます。
査読者は、
「その結果が既存研究と比べてどうなのか」
を確認しています。
⑨ 研究の限界が十分に述べられていない
研究には必ず限界があります。
例えば、
単施設研究
対象者数が少ない
横断研究
などです。
限界を記載することは研究の質を下げるものではありません。
⑩ 結論が研究結果を超えている
査読者が最も敏感に見る部分の一つです。
研究結果から言える範囲を超えて断定してしまうと指摘されやすくなります。
結論は研究結果に基づいて記載しましょう。
査読で特に多い指摘
私自身の経験や指導経験を踏まえると、
特に多いのは、
方法と結果の混在
統計解析方法の説明不足
考察の飛躍
先行研究との比較不足
です。
これらは投稿前に確認しておくことで、多くの修正を防ぐことができます。
まとめ
査読コメントでよく指摘されるのは、
✓ 研究目的
✓ 研究方法
✓ 統計解析
✓ 考察
✓ 結論
に関する内容です。
査読コメントは決して研究を否定するものではなく、論文をより良くするための助言です。
事前にポイントを理解しておくことで、投稿前の原稿もより完成度の高いものになります。
なお、査読コメントへの具体的な回答例や修正例については、別途コンテンツマーケットにて実例集としてまとめています。査読対応に不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
査読結果が返ってきたら使う修正対応テンプレート
査読コメント返信文の例文集