看護研究や卒業研究、学会発表の原稿を見てもらったときに、
「考察が薄いですね」
「もう少し深めてください」
「結果の説明で終わっています」
と言われた経験はないでしょうか。
実は、考察が薄いと言われる文章には、いくつか共通点があります。
今回は、看護研究でよく見られる「考察が薄い」と言われやすい人の特徴について紹介します。
① 結果をもう一度説明しているだけ
考察でよくあるのが、結果を繰り返しているだけの文章です。
例えば、
「A群では〇〇が高かった」
「B群では△△が低かった」
というように、結果に書いた内容をもう一度説明しているだけでは、考察としては不十分です。
考察では、
「なぜそのような結果になったのか」
「その結果にはどのような意味があるのか」
「先行研究と比べてどうなのか」
まで考える必要があります。
② 先行研究との比較が少ない
考察では、自分の研究結果だけで話を進めるのではなく、先行研究と比較することが重要です。
例えば、
「本研究の結果は、〇〇らの報告と同様の傾向を示した」
「一方で、先行研究とは異なる結果であった」
というように、既存の研究と照らし合わせることで、考察に厚みが出ます。
看護研究では、先行研究との比較が不足していると、査読や指導で指摘されやすくなります。
③ 「なぜそうなったのか」が書かれていない
結果に対して、
「〇〇であった」
「△△の傾向がみられた」
で終わってしまうと、読み手は「それで、なぜ?」と感じます。
考察では、結果の背景にある理由を考えることが大切です。
ただし、根拠のない断定は避ける必要があります。
おすすめの表現は、
「〇〇が影響した可能性がある」
「△△が関連していると考えられる」
「□□の背景が影響していた可能性が考えられる」
のような、慎重な書き方です。
④ 結果から言えないことまで書いている
考察を深めようとして、結果から直接言えないことまで書いてしまう場合があります。
これは「考察が浅い」とは別の問題ですが、査読ではかなり注意されやすい部分です。
例えば、対象者数が少ない研究で、
「すべての看護師に有効である」
と書いてしまうと、結果を超えた表現になります。
看護研究では、
「本研究の対象においては」
「本研究の結果からは」
「〇〇の可能性が示唆された」
というように、研究結果から言える範囲を意識することが大切です。
⑤ 臨床的な意味づけが不足している
看護研究では、結果を臨床や教育にどう活かせるかを考えることも重要です。
例えば、
「この結果は、看護実践において〇〇を意識する必要性を示している」
「新人教育では△△を重点的に指導する必要があると考えられる」
のように、実践への示唆を書くことで、考察が深まります。
ただし、ここでも言い過ぎには注意が必要です。
⑥ 限界が書かれていない
研究には必ず限界があります。
例えば、
対象者数が少ない
単施設での研究である
横断研究である
質問紙調査で主観的評価に限られる
などです。
限界を書くことは、研究の価値を下げるものではありません。
むしろ、研究を冷静に捉えていることが伝わります。
考察を深めるための基本の流れ
考察を書くときは、次の流れで考えると整理しやすくなります。
主要な結果を確認する
先行研究と比較する
なぜその結果になったのかを考える
臨床・教育・研究への意味を考える
研究の限界を書く
今後の課題につなげる
この流れを意識するだけでも、「結果の説明だけ」で終わりにくくなります。
まとめ
「考察が薄い」と言われる人には、次のような特徴があります。
結果を繰り返しているだけ
先行研究との比較が少ない
なぜそうなったのかが書かれていない
結果から言えないことまで書いている
臨床的な意味づけが不足している
研究の限界が書かれていない
考察は、単に感想を書く部分ではありません。
研究結果をもとに、先行研究や臨床的意義と結びつけながら、読み手に「この研究にはどのような意味があるのか」を伝える部分です。
看護研究や卒業研究、学会発表で考察に悩む方は、まずは「結果」「先行研究」「意味づけ」「限界」の4つを意識して見直してみてください。
考察の書き方に不安がある方向けに、考察を書くときに確認したいポイントをチェックリスト形式でまとめています。
「結果の説明で終わってしまう」「考察をどう深めればよいか分からない」という方は、コンテンツマーケット内の考察チェックリストも参考にしてみてください。
看護研究の考察の書き方チェックリスト