「こんなことで相談していいのかな」
そう思って、誰かに話すことをためらってしまうことはありませんか。
人間関係のこと。
仕事のこと。
家族のこと。
恋愛のこと。
自分の性格のこと。
理由ははっきりしないけれど、なんとなく気持ちが重いこと。
悩んでいるのに、いざ相談しようとすると、
「もっと大変な人がいるかもしれない」
「これくらい自分で何とかするべきかもしれない」
「うまく説明できないから、相談しても困らせてしまうかもしれない」
そんなふうに考えて、結局ひとりで抱えてしまうことがあります。
でも、ひとつだけお伝えしたいのは、悩みには「大きさ」で比べるべき基準がない、ということです。
他の誰かにとって小さく見えることでも、自分の中で何度も考えてしまったり、気持ちが沈んだり、生活の中でふと苦しくなったりするなら、それは十分に大切に扱ってよい悩みです。
相談するほどじゃない、と感じるときほどつらさがある
「相談するほどではない」と思っているとき、人は自分のつらさを少し小さく見積もっていることがあります。
本当はしんどい。
でも、これくらいで弱音を吐いてはいけない気がする。
本当は誰かに聞いてほしい。
でも、相手に迷惑をかけるようで言い出せない。
このように、悩みそのものだけでなく、「相談していいのかどうか」でさらに悩んでしまうこともあります。
心理学の研究では、困っていても人に相談しづらいことや、相談をためらう理由について、さまざまな側面が探られています。
たとえば、相談することで「弱い人だと思われたくない」という不安や、自分自身を否定的に見てしまう傾向が、援助を求めることへの抵抗感につながることがあります。
つまり、相談できないのは意志が弱いからではありません。
むしろ、「迷惑をかけたくない」「ちゃんとした説明をしなければ」「自分で何とかしなければ」と考える人ほど、相談のハードルが高くなりやすいのです。
カウンセリングは、悩みが整理できたあとに行く場所ではありません
カウンセリングというと、相談内容をきちんと整理して、何に困っているのかをはっきり説明できる状態で受けるものだと思われがちです。
でも、実際にはそうではありません。
「何がつらいのか自分でもよくわからない」
「話したいことはあるけれど、言葉にできない」
「考えがまとまらなくて、同じことをぐるぐる考えてしまう」
こうした状態のまま相談して大丈夫です。
厚生労働省のメンタルヘルス情報では、カウンセリングのメリットとして、話をしっかり聞いてもらえること、抱えている問題を整理できること、自分の考え方のくせや長所に気づけることなどが挙げられています。
つまり、カウンセリングは「整理できた悩みを発表する場所」ではなく、「話しながら一緒に整理していく場所」と考えてよいのです。
カウンセリングでは、すべての悩みがすぐに解決するわけではありません。
けれど、気持ちや考えを整理し、自分自身の状態を理解しやすくなることをサポートする場にはなります。
うまく話せなくても大丈夫です
相談をためらう方の中には、「うまく話せなかったらどうしよう」と不安になる方もいます。
途中で言葉に詰まるかもしれない。
泣いてしまうかもしれない。
話が前後してしまうかもしれない。
何から話せばいいかわからなくなるかもしれない。
でも、カウンセリングでは、きれいに話すことが目的ではありません。
むしろ、まとまらない話の中にこそ、その人が本当に困っていることや、長い間言葉にできなかった気持ちが含まれていることがあります。
「うまく言えない」という状態も、そのまま大切な情報です。
たとえば、
「何から話せばいいかわからないんです」
「大きな悩みではない気がするんですが、ずっと気になっています」
「自分でも何がつらいのかわかりません」
このような始まり方でも十分です。
そこから少しずつ、今どんな場面で苦しくなるのか、どんな考えが浮かびやすいのか、何を我慢してきたのかを一緒に見ていくことができます。
小さな悩みでも、相談していい
相談してよい悩みに、明確な基準があるわけではありません。
眠れないほどつらいときだけ。
仕事に行けなくなったときだけ。
人間関係が完全に壊れたときだけ。
病名がついたときだけ。
そうなってからでないと相談してはいけない、ということはありません。
もちろん、強い不調や生活への大きな支障がある場合には、医療機関や公的な相談窓口に相談することが大切です。
厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、こころの健康相談統一ダイヤルなど、状況に応じた相談窓口が案内されています。
一方で、そこまで深刻かどうかわからない段階でも、気持ちを整理するために相談を使うことはできます。
たとえば、東広島市のこころの相談窓口では、「相談するほどじゃない」と感じているときほど、ひとりでつらさを抱えていることがあると説明されています。
これは、とても大切な視点だと思います。
「まだ大丈夫」と思いながら無理を続けるよりも、早い段階で言葉にしてみることで、自分の状態に気づきやすくなることがあります。
相談することは、弱さではありません
相談することに抵抗がある人ほど、「人に頼るのはよくないこと」と感じている場合があります。
けれど、相談は弱さではありません。
自分の状態を大切に扱うための行動です。
ひとりで考えていると、頭の中で同じ考えが何度も回り続けることがあります。
「自分が悪いのかもしれない」
「もっと頑張るべきなのかもしれない」
「こんなことで傷つく自分がおかしいのかもしれない」
こうした考えは、ひとりで抱えているほど強くなりやすいことがあります。
誰かに話すことで、気持ちが少し外に出ます。
言葉にすることで、自分でも初めて気づくことがあります。
聞いてもらうことで、「自分はこんなに我慢していたんだ」とわかることもあります。
相談は、すぐに答えを出すためだけのものではありません。
自分の気持ちを置き去りにしないための時間でもあります。
ただし、相談があれば必ず良くなる、という保証があるわけではありません。
あくまで、自分自身の気持ちや状況を整理し、次のステップを考えるためのサポートです。
こんな相談でも大丈夫です
たとえば、次のような内容でも相談してかまいません。
人の目が気になって疲れる。
断ることが苦手で、いつも無理をしてしまう。
家族との関係で気持ちが乱れる。
職場での小さな言葉がずっと引っかかっている。
恋愛や夫婦関係で自分の気持ちがわからなくなる。
将来のことを考えると不安になる。
理由ははっきりしないけれど、最近気持ちが重い。
誰かに話したいけれど、身近な人には言いにくい。
こうした悩みは、外から見ると「よくあること」に見えるかもしれません。
でも、本人の中で繰り返し苦しさになっているなら、丁寧に扱ってよいものです。
相談するとき、完璧な準備はいりません
相談前に、無理に話す内容をまとめようとしなくても大丈夫です。
もし少し準備するなら、次のようなことをメモしておくだけでも十分です。
最近つらかった場面。
何度も考えてしまうこと。
誰にも言えていない気持ち。
本当はどうしたいのか、まだわからないこと。
相談で少し楽になったら嬉しいこと。
きれいな文章にする必要はありません。
単語だけでも、箇条書きでも、まとまっていなくても大丈夫です。
カウンセリングでは、その断片を一緒に拾いながら、少しずつ今の状態を整理していくことができます。
迷っている時点で、相談のきっかけになっている
「こんなことで相談していいのかな」と迷っている人は、きっと真面目で、周りへの配慮があり、自分の悩みを大げさにしたくない人なのだと思います。
でも、自分のつらさをずっと小さく見続けると、気づかないうちに心の負担が大きくなることがあります。
相談するかどうかを迷っている時点で、すでに心のどこかが「少し助けがほしい」と感じているのかもしれません。
その声を、無理に消さなくても大丈夫です。
悩みがまとまっていなくても。
理由がはっきりしていなくても。
話している途中で涙が出ても。
「こんなことで」と思うような内容でも。
あなたがつらいと感じているなら、それは大切に扱ってよい気持ちです。
相談は、特別に大きな問題を抱えた人だけのものではありません。
自分の気持ちを少し整理したいとき。
誰かに聞いてもらいながら考えたいとき。
ひとりで抱え続けることに疲れたとき。
そんなときにも、使ってよい選択肢です。
もし今、「相談していいのかな」と迷っているなら、その迷いごと、そのまま持ってきてください。
うまく話そうとしなくて大丈夫です。
一緒に、今の気持ちを少しずつ整理していきましょう。
このココナラでの相談では、オンラインで個別にお話をお聞きし、あなたのペースに合わせて話を整理していくお手伝いをしています。
難しい専門用語はできるだけ使わず、あなたが落ち着いて話せるように、時間と空間を大切にしています。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
出典・参考資料
厚生労働省「カウンセリングについて カウンセリングの概要やメリットとは」
カウンセリングのメリットとして、話を聞いてもらえること、抱えている問題を整理できること、自分の考え方のくせや長所に気づけることなどが示されています。
厚生労働省「まもろうよ こころ 電話相談窓口」
こころの健康相談統一ダイヤルなど、こころの相談に使える公的な電話窓口について案内されています。
永井智「臨床心理学領域の援助要請研究における現状と課題」
困難を抱えても相談しづらいことや、援助要請に関わる心理的要因を整理する参考資料です。