私は、接客マニュアルをやめた。 ― マニュアルより、大切なものがある。―

私は、接客マニュアルをやめた。 ― マニュアルより、大切なものがある。―

記事
ビジネス・マーケティング
私は38年間、

飲食業に携わってきました。

多店舗展開をしていた頃、

接客マニュアルを作っていた時期があります。

理由は単純です。

同じことを、

何度も説明するのが大変だったからです。

マニュアルがあれば、

誰が教えても、

同じ内容を伝えられます。

効率も良くなります。

最初は、

それでいいと思っていました。

でも、

ある日、

違和感を覚えました。

コンビニで、

「ありがとうございました。」

と言われた時です。

私は心の中で、

「ありがとうって、そういうものだったかな。」

と感じました。


その時、

私は、

言葉だけでは、気持ちは伝わらない。

そう感じました。

もちろん、

一生懸命働いている店員さんです。

でも、

マニュアル通りの言葉は、

どこか機械のように聞こえてしまいました。

私は、

そんな店にはしたくありませんでした。

だから、

接客マニュアルをやめました。

言葉は教えられても、

気持ちは教えられないと思ったからです。

その代わりに残したのは、

ハウスルールです。

例えば、

身だしなみ。

以前は、

細かく文章で決めていました。

「茶髪はOK。」

「金髪はNG。」

でも、

その間の色はどうするのか。

結局、

文字だけでは伝えきれません。

だから私は、

「あなたが飲食店のスタッフとして、良いと思う身だしなみにしてください。」

そう伝えるようにしました。

細かいルールを増やすより、

スタッフを信じることにしたのです。

最初は、

戸惑うスタッフもいました。

でも私は、

「失敗してもいいから、やってみろ。」

そう伝えました。

すると、

スタッフの表情が変わりました。

マニュアル通りに動く、

ロボットのような表情ではありません。

自分で考え、

自分で行動する、

生き生きとした表情になったのです。

今までは、

「ここまでやっていいのかな?」

と迷っていたスタッフも、

お客様の声を、

自分から伝えてくれるようになりました。

「もっとこうした方が喜んでもらえると思います。」

そんな提案も、

増えていきました。

もちろん、

自由と勝手は違います。

自由には、責任が伴います。

ある調理スタッフが、

自分の好みで、

グランドメニューのレシピを変えたことがありました。

私は言いました。

「それは、あなたが好きな味だよね。」

「今までその味を気に入って来てくださっているお客様は、どうなるの?」

基準は、

いつもお客様です。

お客様のために考えた工夫なら、

どんどんやっていい。

でも、

自分の好みで変えるのは違います。

私は、

接客マニュアルをやめました。

自由にしたかったからではありません。

人を放任したかったからでもありません。

心までマニュアルにしたくなかったからです。

「ありがとうございました。」

という言葉は、

教えることができます。

でも、

感謝する気持ちは教えられません。

それは、

一人ひとりがお客様と向き合う中で、

育っていくものだと思っています。

私が一番うれしかった言葉があります。

「ここのが一番好き。」

その言葉は、

マニュアルでは生まれません。

スタッフ一人ひとりが、

自分の言葉で、

自分の心で、

お客様と向き合ったからこそ、

いただけた言葉だと思っています。

だから私は、

接客マニュアルをやめました。

マニュアルより、

人の心を信じたかったからです。




◆アオ日記🐾

ニャ〜オ!アオにゃ!

主人は、

接客マニュアルはやめたのに、

アオへのご飯だけは、

毎日きっちり同じ時間にゃ。

ちょっと遅れると、

アオが主人の口をペロペロなめて、

「ご飯の時間にゃ!」

って教えてあげるにゃ🐾

これは、

アオ流のおもてなしにゃ♪


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