「Lunaの森でお茶をすると…」
そこは、見えない存在たちと静かに向き合いながら、
自分の心の奥に触れていく場所。
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空は、薄く曇っていた。
太陽は雲に遮られ、春のはずなのに、どこか肌寒い。
やわらかな光は遠くにあるのに、
ここにはまだ届いていないような、そんな空気。
私は静かに、カフェLunaの扉を開けた。
中は少しだけ暗く、落ち着いた照明が、ゆるやかに空間を包んでいる。
窓の外を見ると、湖の向こうには、かすかに陽が差しはじめていた。
水面には、ヒドリガモがゆっくりと浮かんでいる。
その穏やかな動きとは裏腹に、心の中は、まだ落ち着かないままだった。
席に座り、息をつく。
「……どうすればいいのかな?」
ふと、そんな言葉がこぼれる。
何かを変えたいと思っているのに、すぐに動けない自分がいる。
前に進みたいのに、どこかで立ち止まってしまう。
そのことが、少しだけ、歯がゆかった。
そのとき、カフェの奥に、静かな気配が現れる。
ゆっくりと視線を向けると―
そこにいた。
光を織り込んだようなドレスをまとった精霊。
その手には、小さな籠。
中には―
三つの頭を持つ、不思議な鳥が一羽。
その精霊は、まっすぐにこちらを見つめ、静かに口を開いた。
『その不安は、どこから来ているのかしら』
問いかけは、やさしくも、鋭かった。
「……分からない」
そう答えながらも、胸の奥がわずかにざわつく。
『本当に?』
その一言に、思わず視線を逸らす。
「……もしかしたら、自分に自信がないからかも」
『いいえ、それだけではないわ』
静かな否定。
その声は、迷いがなかった。
『あなたは、自分に向ける言葉で、自分自身を傷つけている』
その瞬間、胸の奥に、何かが引っかかる。
「……そんなこと、ないと思うけど」
『本当に?』
同じ問いが、もう一度。
逃げられないように、やさしく、でも確かに。
気づけば―
できていないことばかりを見て、自分を責めていた。
もっとできるはずなのに。
どうして動けないのか。
そんな言葉を、何度も自分に投げかけていた。
「……ああ、私……」
言葉にならないまま、気づいてしまう。
『そのエネルギーは、もう必要ないものよ』
精霊は、静かに籠を少し持ち上げた。
三つの頭を持つ鳥が、こちらを見つめ返してくる。
それぞれが、違う方向を見ているようで、どこか落ち着かない気配を放っていた。
『過去の声、他人の声、そして自分の声』
『それらが混ざり合い、 あなたの内側を曇らせているの』
その言葉が、ゆっくりと染み込んでいく。
「……じゃあ、どうしたらいいの?」
『取り除くのよ』
短く、はっきりとした答え。
『それが本当にあなたの声なのか、ひとつずつ、見つめ直しなさい』
窓の外では、遠くの空から、わずかに光が広がりはじめている。
『不要なものを手放したとき、
本来のエネルギーは、自然と戻ってくるわ』
その声は、やさしくも確信に満ちていた。
「……少しずつでいい?」
小さく、問いかける。
『ええ』
精霊は、静かに頷いた。
『整えることは、急ぐものではないから』
その言葉に、ふっと力が抜ける。
すぐに変わらなくてもいい。
でも―
少しずつ、自分の中を整えていけばいい。
そう思えたとき、胸の奥のざわつきが、ほんの少し静まった。
気がつくと、精霊の姿は、やわらかな光の中に溶けていた。
窓の外では、遠くから差し込む光が、湖の水面を静かに照らしていた。
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あなたが自分の内側を整えたくなったときに、
そっと寄り添うリーディングをしています🍀
Maya Toyoka