頑張っているのに報われないと感じるときに✦Lunaの森でお茶をすると…Vol.10
「Lunaの森でお茶をすると…」
そこは、見えない存在たちと静かに向き合いながら、
自分の心の奥に触れていく場所。
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雨は、今日も降り続いていた。
けれどその雨は、どこかやさしく、
春の花たちは嬉しそうに濡れながら揺れている。
歩き始めてから、雨は上がり
陽の光がまぶしく明るさが増してきた。
重たかった空気が、ゆっくりとほどけていくような気配。私は、その景色を見ながら、静かにカフェLunaの扉を押した。ここに来ることさえ、少し前までは難しかった。何もかもが重くて、動くことすら、億劫で。それでも今日は―やっと、外に出ようと思えた。
それだけで、ほんの少しだけ、何かが変わった気がした。席に座り、温かい飲み物に手を添える。そのぬくもりが、じんわりと心に広がっていく。「……頑張ってるのに、どうしてなんだろう」
ぽつりと、言葉がこぼれる。
うまくいかないことばかりで、
努力しても、報われた実感がなくて。
このまま続けても、意味があるのか―そんな思いが、何度も頭をよぎる。
そのとき、カフェの空気が、ふっと引き締まった。顔を上げると、そこにいた。
光をまとった、はっきりとした存在。
その瞳はまっすぐで、何もかもを見透かしているような強さを持っている。『錬金術の天使』
逃げ場のないような、でも不思議と恐れではない感覚。
ただ、すべてを見られている。
『……無理をしているわね』
その声は、静かでありながら、強く響いた。
「……そんなつもりは、ないけど」
少しだけ、言葉が揺れる。
『いいえ。しているわ』
迷いのない断言
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