自分を信じきれないと感じるときに✦ Lunaの森でお茶をすると…Vol.8
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「Lunaの森でお茶をすると…」
そこは、見えない存在たちと静かに向き合いながら、
自分の心の奥に触れていく場所。
カフェLunaの窓の外では、風が強くなっている。
桜の花びらはほとんど散り、
若い葉が揺れるたびに、光を反射してきらめいている。
春はもう、次の季節へと進もうとしていた。
その変化に、どこかついていけないような気持ちで、
私はカップに手を添えていた。
ここに来る前よりも、少しだけ前に進めた気がしていたのに―
それでも、心の奥にはまだ迷いが残っている。
本当にこれでいいのか。
自分の選ぼうとしている道は、間違っていないのか。
そんな問いが、何度も浮かんでは消えていく。
そのとき、カフェの奥に、ゆらりとした気配を感じた。
振り向くと、そこにいた。
青い服をまとい、手には小さなブードゥーを持った精霊。
静かに立っているその存在は、まっすぐにこちらを見つめていた。
『迷っているのね』
その声は、やわらかくも、どこか核心を突いていた。
「……うん。
本当にこれでいいのか、自信がなくて」
少し間を置いてから、言葉がこぼれる。
『もう、分かっているのでしょう?』
その一言に、胸の奥がわずかに揺れる。
「分かってる……と思う。
でも、それを選ぶのが怖いの」
『何が怖いの?』
問いかけは静かで、逃げ場を与えない。
「誰かをがっかりさせるかもしれない。
関係が変わってしまうかもしれない。
それに……」
言葉が詰まる。
「……自分が間違ってるかもしれないのが、怖い」
しばらくの沈黙。
窓の外では、若葉が風に揺れている。
『あなたは、いつもそうやって
自分よりも外を優先してきたのね』
責める響きはない。
ただ、事実をすくい上げるような声。
『でもそれは、本当にあなたの望み?』
胸の奥に、小さな痛みが広がる。
「……違うと思う」
その言葉は、思っていたよりもはっきりと出てきた。
『では、なぜ続けるの?』
静かな問い。
逃げられない問い。
「……いい人でいたいから」
そう言った瞬間、自分でもその言葉の重さに気づく。
『いい人でいることと、 正直でいることは、同じではないわ』
その言葉が、すっと心に落ちてくる。
『あなたが手放そうとしているものは、 本当に必要なもの?』
私は、ゆっくりと首を横に振る。
「……違う」
『では、もう分かっているはずよ』
その声は、やさしくも、確信に満ちていた。
怖さは消えない。
それでも―
その怖さの奥にある本音を、もう無視することはできなかった。
「……少しずつでいいかな」
小さく、そうつぶやく。
『ええ、それでいい』
ブードゥーを持った青い服の精霊は、わずかに頷いたように見えた。
『正直でいることは、強くなることではなく、
自分を裏切らないことだから』
その言葉が、静かに残る。
私は、ゆっくりと息を吐いた。
まだ自信はない。
それでも―
自分の選びたいものを、ちゃんと選んでいこうと思えた。
気がつくと、精霊の姿はもうなかった。
気がつくと、カフェの中には、
凛とした静けさと、やわらかな光が差し込んでいた。
あなたが自分の本音と向き合いたくなったときに、
そっと寄り添うリーディングをお届けしています。🌿
Maya Toyoka