少しずつ自分を受け入れられるには✦Lunaの森でお茶をすると…Vol.12

少しずつ自分を受け入れられるには✦Lunaの森でお茶をすると…Vol.12

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占い
「Lunaの森でお茶をすると…」

そこは、見えない存在たちと静かに向き合いながら、
自分の心の奥に触れていく場所。

ココナラ:Lunaお茶:店内⑫.png

雨は、まだ降り続いていた。

咲いていた花たちは、その雨に打たれ、やさしく散っていく。
足元には、色とりどりの花びらが重なり、
まるで絨毯のように広がっていた。

私は、その上をゆっくりと踏みしめながら、
カフェLunaへと向かう。

それはひとつ、ひとつ、歩いてきた道のようにも思えた。

扉を開けると、
やわらかな灯りと、あたたかな空気が迎えてくれる。

外の雨の音も、ここではどこかやさしく響いていた。
壁にかかった額縁の中には、大きな帆船の絵。
まっすぐに進むその姿に、なぜか少しだけ目を奪われる。

席に座り、静かに息をつく。
「……どうして、私はこんなに遅いんだろう」
ぽつりと、言葉がこぼれる。

周りの人たちは、うまく進んでいるように見えるのに。
自分だけが、取り残されているような感覚。

それでも―
ここまで、少しずつ歩いてきたことも、分かっている。
だからこそ、余計に苦しい。

「……少しずつでも、
 自分を受け入れられるようになりたい」
その想いを、そっと口にする。

そのとき、ふわりと空気が変わった。
視線を上げると、そこにいた。
美しく整えられたドレスをまとい、胸元には大きなリボン。
その手には、一枚の仮面。
静かに立つその精霊は、ゆっくりと仮面を外した。

そして―
まっすぐに、こちらを見つめる。

『あなたは、誰になろうとしているの?』
その問いは、やさしくも鋭かった。

「……誰かに、なろうとしてる?」
思わず、問い返す。

『ええ』
精霊は、静かに頷いた。

『あなたは今、
 本当の自分ではない姿で、ここにいようとしている』
その言葉に、胸の奥がわずかに揺れる。

「そんなこと、ないと思うけど…」

『本当に?』
やわらかな声。
でも、逃げられない問い。

気づけば―
誰かと比べて、少しでも近づこうとしていた。

うまくやれている人のように。
評価されている人のように。
そうなれたらいいと、どこかで思っていた。

『羨ましさは、悪いものではないわ』
精霊は、仮面を指先でなぞる。
『でもそれが、
 “自分を隠す理由”になっているのなら、話は別よ』
その言葉が、静かに落ちてくる。

「……私、合わせてたのかも」」
小さく、つぶやく。

『ええ』
その答えは、やさしかった。
『あなたは、自分を大切にするよりも、
 “繋がること”を優先してきたのね』

その一言に、はっとする。

誰かと繋がるために、
嫌われないように、
浮かないように。

少しずつ、本当の自分を後ろに置いてきた。
「……それじゃ、
 自分を受け入れるなんて、できないよね」

『そうね』
でも、その声は否定ではなかった。

『だから、まずは見つめることよ』
精霊は、仮面をそっと差し出す。
『これは、あなたが使ってきたもの』

その仮面は、どこか見覚えがあるように感じた。

『外すかどうかは、あなたが決めていい』
静かな選択。

「……すぐには無理かもしれない」
正直に、そう言う。

『ええ、それでいい』
精霊は、やわらかく微笑んだ。
『大切なのは、気づいたことだから』

その言葉に、胸の奥が少しだけ軽くなる。
すぐに変われなくてもいい。

でも―
少しずつ、自分に戻っていくことはできる。

そう思えたとき、
心の中に、ほんのわずかな光が差した気がした。

気がつくと、
精霊の姿は、やわらかな空気の中に溶けていた。

窓の外では、
雨に濡れた花びらが、静かに地面を彩っていた。
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