鬱は通常ステージじゃない。いまはラスボス戦です
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コラム
はじめに
いまのあなたは、通常ステージにいません。
ラスボス戦です。
だから、動けなくて当たり前。
HPがすぐ削られて当たり前。
回復が追いつかなくて当たり前。
それなのに、私たちは通常ステージ基準で自分を裁いてしまう。
「みんなは普通に仕事に行けているのに」
「どうして今日も何も出来ないんだろう」
「何も生産していない自分は価値がないんじゃないか」
でもそもそも前提が違います。
何度も言いますが、いまのあなたは、ラスボス戦中です。
通常ステージと同じ動きができなくていい
通常ステージなら、
少し無理すれば進める。
気合いでなんとかなることもある。
休めばある程度回復する。
でもラスボス戦は違う。
一撃が重い。
小さな出来事でも大ダメージ。
回復アイテムを使っても、すぐ削られる。
鬱のときの世界はこれに近い。
何気ない一言に傷つく。
SNSを見ただけで消耗する。
「頑張ろう」と思っただけで疲れる。
それは、あなたが弱いからではなく
敵が強いからです。
見えないダメージは評価されない
ラスボス戦の厄介なところは、
ダメージが外からはそれが見えないこと。
あなたは布団の中にいるかもしれない。
横になっているだけに見えるかもしれない。
でも内側では、
自己否定という継続ダメージ。
先が見えない不安という範囲攻撃。
未来への絶望という大技。
休む間もなくずっと受け続けている。
もしこれが数値で表示されたら、一つ一つのダメージは相当なもの。
あなたのHPはとっくに赤ゲージです。
それでもあなたは今日をやり過ごしている。
それは「何もしていない」状態ではありません。
戦闘中です。
「休む」ことも消耗すると知る
鬱のときに一番混乱するのはここかもしれません。
「ゆっくり休みましょう」と言われる。
でも、休むこと自体が難しい。
横になっているのに、頭の中は止まらない。
過去の後悔が再生される。
未来の不安が広がる。
他人と比較してさらに削られる。
身体は動いていないのに、心は戦闘モード。
だから疲れる。
戦闘と休息の境目が分からなくなるのは、
高難易度の状態が続いているからです。
まずは前提を変える
いま必要なのは、無理に前に進むことでも、
ポジティブになることでもありません。
前提を変えることです。
「通常ステージで動けない自分」ではなく、
「ラスボス戦を生き延びている自分」と見ること。
起き上がれなかった。
連絡を返せなかった。
お風呂に入れなかった。
仕事に行けなかった。
片付けが出来なかった。
何も達成できなかった。
それでもあなたは、
今日をやり過ごした。
ログアウトしなかった。
それは本当に、簡単なことではありません。
あなたはすでに戦っている
鬱の戦闘は、誰も褒めてくれません。
成果にもならない。
大変さを理解されない。
数字にもならない。
でも私は言いたい。
あなたは今日も、十分すぎるほど戦っています。
通常ステージ基準で自分を裁かなくていい。
いまはラスボス戦。
それだけで、十分すぎるほど大変なことです。
そしてラスボス戦は、永遠には続きません。
いまはただ、
「今日も自分はラスボス戦の中でよく戦っている」と自分に言ってあげてください。
それが、次の一手よりも先に必要なことです。
それだけで、あなたは今日も前に進んでいる。