意外とわかりづらい、お薬の内服タイミング

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皆さん、突然ですが、通常薬を受け取るときに、食後に飲んでくださいと言われることが多いと思います。
しかしながら、薬によっては食事の前、食間、食直後など細かな用法の指示が出ていることがあります。これらの用法は薬剤師から説明されたときは何となくわかっているような気がするかと思いますが、実際にはどう飲めばよいのかよくわからないという患者さんをよく見受けます。

今回は実際のところ、お薬の用法にはどんな意味があるのかをお話ししていきます。下にそれぞれ支持される用法の意味を示します。

①食直前
→食事の5分前程度
②食直後
→食後5分以内
③食間
→食事と食事の間(通常食後2ー3時間)
④食後
→食後30分程度
⑤起床時
→朝起きてすぐ
⑥空腹時
→食事と食事の間で、特におなかが空いている時、寝る前、朝起きてすぐのおなかが空いている時でも可

 上に示したように、各用法にはこのような意味があります。
お薬によっては、食べ物に含まれている物質を吸着したり、吸収しにくくしたりと食べ物とおなかの中で一緒になることで効果を発揮するものがあります。
こういった薬剤は、用法をきちんと守らないと薬効が得られないどころか、副作用だけ出てしまうケースもあります。
薬局で薬を受け取るときは、その薬が何のために処方されているのかを薬剤師からの情報提供で意識していただくことが大切です。
上記で述べた薬剤ではないもので、例えば空腹時に内服すると消化管潰瘍のリスクが高くなる薬剤(例:ロキソニン)などは食後内服が推奨されていますが、多くの薬が食後に処方されるのは実はあまり気にしなくてもよいのです。
その理由は、食後に薬を飲むという理由(動機)付けをすることが目的だからです。多くの方は1日3食食べていますから、食後に薬を飲めと言われれば、忘れにくくなりますよね。仕事をしていて結構よくあるのですが、食事を摂らなかったから飲まなかったという方が少なくありません。これは食後と言われているので、食事をしないと飲んではいけないものだと思っているからですが、多くの薬はむしろ食事に関係なく飲む必要があります。例にあげたロキソニンなどはまれなケースであり、薬を渡すときに必ず、空腹時の内服は避けてくださいと言われるはずです。もしくは薬剤情報書類に記載があります。
そういった薬剤以外(例えば血圧の薬など)は食事に関係なく内服するようにしてください。どうすればいいかわからない場合は、薬を受け取った薬局に確認するか、処方した先生に確認してください。
自己判断で中止して病気が悪化するケースは本当によくありますので、特別な指示(例:血圧110以下で内服中止)がない場合は勝手な中断は控えていただく方がよいと思います。
糖尿病の薬などは、血糖値をコントロールする薬剤なので、ものによっては食事摂取できない場合は内服をスキップすることもあります。自分の処方された薬が、空腹時に飲んでも大丈夫かについても薬剤師にぜひご相談ください。
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