「私のどこが好き?」
大好きな彼にそう問いかけたとき、笑顔で「優しいところ」って返ってきたら、普通なら嬉しくなるところですよね。
けれど、その言葉を受け取った瞬間、あなたの心の中で「それって、私が文句を言わないから都合が良いってこと?」「扱いやすいから好きなだけなんじゃ……」という、ちょっぴり悲しい変換が始まってしまうことはありませんか?
せっかく彼が自分の内面を見てくれたはずなのに、素直に喜べなくて、一人でぐるぐると考えてはヘコんでしまう。
相手の言葉をそのまま受け取れずに、わざわざ傷つく方向へ裏返してしまう自分に対して、「どうしてこんなにひねくれているんだろう」って、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
でもね、そんな風に裏読みしてしまうのは、あなたが決してひねくれているからではないんですよ。
心理カウンセラーとして、僕はこう考えています。あなたが「優しいところ」という言葉を都合が良いという意味に変換してしまうのは、これまであなたが周りの人のために、それだけ一生懸命に自分を抑えて「優しい人」でい続けてくれたからなのだと。
繊細な気質を持つ方は、相手の表情や空気感を敏感に察知して、無意識のうちに相手が心地よくいられるように自分を合わせることができます。
だからこそ、過去の人間関係やこれまでの経験の中で、「優しくしているときだけ、みんなが自分を好きでいてくれた」とか、「自分の意見を言わずに我慢したから、うまくおさまった」という記憶が、心のどこかに残っているのかもしれません。
「優しい私じゃないと、価値がないのかな」という不安が心の下地にあると、彼からの純粋な褒め言葉さえも、自分を縛りつける言葉のように聞こえてしまうことがあるんですよね。
彼の言う「優しいところ」は、決して「何でも言うことを聞いてくれて便利だな」という意味ではありません。
あなたが彼のちょっとした変化に気づいてそっと寄り添ってくれるところ、彼の話を否定せずに味方でいてくれるところ、そんなあなたの温かさに、彼は心から救われ、癒やされているはずです。
もしまた、彼からの言葉を裏返してヘコみそうになったときは、まずは「あ、私、また過去のパターンで裏読みしちゃったな」と、自分の心の動きを優しく見つめてあげてください。
そして、深呼吸をひとつして、「彼は私の存在そのものの温かさを、優しいって言ってくれたんだな」と、言葉の文字通りに受け取る練習を、少しずつ、少しずつしていきましょう。
あなたが紡いできたその優しさは、誰かに都合よく使われるためのものではなく、あなた自身と、あなたの大切な人を幸せにするための、本当に素敵な宝物なんですからね。