大好きな人や、ちょっと気になるあの人と一緒にいる時間。
ふとした瞬間に手が触れ合って、「あ、手が冷たいね」なんて言われたら、心臓がドキッとして跳ね上がってしまいますよね。
少女漫画や映画の世界なら、ここで「心が温かいからだよ」なんて可愛いセリフを返して、お互いに見つめ合って、ふわりと甘い空気が流れるところかもしれません。
けれど、あなたの口からとっさに出てきた言葉は「あ、私、昔から血行が悪くて……」。
その瞬間に、なんだか現実的な空気が流れてしまって、心の中で「あぁ、またやってしまった!」と頭を抱えて、一人で反省会を開いていませんか?
本当はもっと可愛く、気の利いた恋愛のラリーを楽しみたいのに、どうしても気恥ずかしさが勝ってしまったり、生真面目な性格が顔を出したりして、いつも事務的な会話に着地してしまう。
そんな自分に対して、「どうして私はいつもこうなんだろう」「もっと素直に甘えられたらいいのに」と、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
心理カウンセラーとして、僕はそんなあなたの不器用さが、たまらなく愛おしくて、そしてとても素敵なことだと考えています。
繊細な気質を持つ方は、相手の言葉の裏にある意図や、その場の空気感をとても敏感にキャッチします。
「手が冷たいね」と言われたとき、あなたの脳内では、驚きと恥ずかしさと「どう返せば正解だろう?」という思考が、ものすごいスピードでぐるぐると駆け巡っているんですよね。
あまりにもたくさんの情報が一気に押し寄せてくるからこそ、心がパニックを起こさないように、一番安全で間違いのない「事実」を口から出してしまうのです。
それが、あなたにとっての「血行が悪くて」という、最高に誠実で生真面目な答えだっただけなんですよ。
冷たくあしらおうとしたわけでも、相手を突き放そうとしたわけでもなくて、ただただ一生懸命に返事をしようとした結果なのですから、どうか自分を責めないでくださいね。
それに、世の中の男性がみんな、映画のような完璧なセリフを求めているわけではありません。
むしろ、ちょっと照れくさそうに、でも真面目に「血行が悪くて」と答えるあなたの姿を見て、その飾らないピュアさに、キュンとしている可能性だって十分にあります。
嘘や計算がなくて、いつも等身大で誠実なあなただからこそ、その言葉には嘘偽りのない温かさが宿っています。
気の利いたラリーができなくても、あなたのその真面目さや一生懸命さは、ちゃんとお相手に伝わっていますよ。
もし、どうしても次はもう少しだけ可愛く返したいな、と思うときは、セリフを工夫するよりも、まずは自分の「照れくささ」をそのまま言葉にしてみるのがおすすめです。
「血行が悪くて」と言った後に、「……って、なんか真面目に返しちゃった。恥ずかしいな」と、はにかみながら付け足してみる。
それだけで、事務的だった会話が一瞬で、あなたらしい可愛い恋愛のラリーに変身します。
完璧なヒロインになろうとしなくて大丈夫です。
その生真面目さも、照れ屋なところも、すべてがあなたの素晴らしい魅力なのですから、そのままのあなたで、ゆっくりと恋を育んでいってくださいね。