「今度、家族に誕生日プレゼントをあげたいんだけど、何がいいかな?」
大好きな人や、大切な人からそんな相談をされたとき、あなたはどんな気持ちになりますか?
胸の奥が少しだけモヤッとしたり、ザワザワしたりするのを感じながらも、気づけば相手のために全力で素晴らしいギフトを考えてしまう。そんな経験、ありませんでしょうか。
相手の好みを分析して、予算に合わせて、まるでプロのコーディネーターかのように親身になって一生懸命に選んでしまうんですよね。
心のどこかでは「嫉妬するなんて格好悪い」「そんな器の小さいところを見せたら負けだ」という強いプライドが働いているのかもしれません。
それと同時に、目の前の相手を喜ばせたい、役に立ちたいというあなたの豊かな共感力が一気に暴走してしまうのだと思います。
そうして完璧なプレゼントを選び終えて、相手が嬉しそうに帰っていくのを見送ったあと。
一人きりになった帰り道で、急にドッと疲れが押し寄せてきて、「私は一体、何をやっているんだろう……」と、激しい虚無感に襲われてしまう。
楽しそうに家族のプレゼントを選ぶ相手を全力で応援してしまった自分、そして心の中で渦巻くモヤモヤとした感情。それらが混ざり合って、胸が苦しくなってしまいますよね。
心理カウンセラーとして、僕はあなたのその優しさと健気さが、本当に愛おしく、そして少しだけ切なく感じられます。
繊細な気質を持つ方は、相手のニーズを察知するのがとても上手で、どうすれば相手が満足するかを瞬時に見抜く素晴らしい能力を持っています。
だからこそ、相談されたら期待以上のクオリティで応えたくなってしまいますし、相手の喜ぶ顔が見たいという純粋な気持ちもあるんですよね。
でもね、その一方で、大好きな人が「自分以外の誰か」を大切にしようとしている姿を間近で見るのは、本当はとても寂しくて、ちょっぴり嫉妬してしまうのが人間というものです。
「寂しいな」「私だけを見てほしいな」と思うのは、決して心が狭いからでも、負けだからでもありません。相手のことがそれだけ大好きだからこそ生まれる、とても自然で、とても人間らしいピュアな感情なんですよ。
それなのに、プライドでその寂しさをグッと抑え込んで、共感力だけをフル回転させて頑張りすぎてしまうから、後から心のエネルギーが切れて虚無感になってしまうのです。
もしまた同じような場面が訪れたら、まずは「あ、私、今ちょっと寂しいって感じてるな」「嫉妬しちゃうくらい、この人のことが好きなんだな」と、自分の本音を優しく包み込んであげてください。
プロのコーディネーターにならなくて大丈夫です。ほんの少しだけ力を抜いて、「うーん、何がいいだろうねぇ」と一緒に悩むくらいのお返事でも、相手は十分に嬉しいものですよ。
あなたのその溢れるほどの共感力とパワーは、まずはあなた自身の心を温めるために、たくさん使ってあげてくださいね。