「今度の土曜日、空いてる?」
スマホの画面にこの文字が浮かんだ瞬間、心臓がどきりと跳ねて、冷や汗が流れるような感覚になることはありませんか?
ただスケジュールを聞かれているだけなのに、まるで罠が仕掛けられた道を歩いているような、強い警戒心を抱いてしまう。
「空いてるよ」と答える前に、まずは「何かあるの?」と理由を尋ねずにはいられない。
そうやってワンクッション置かないと、怖くて返事ができないという女性は、実はとても多いのです。
もしも先に「空いている」と答えてしまったら、その後にどんな提案が来ても断れなくなってしまう。
それが自分の苦手な場所への誘いだったり、今の自分のキャパシティを遥かに超えるような大変なイベントだったりしたら、どうしよう。
そんな風に最悪の事態をぐるぐると想像して、自分の心と時間を守るために、いつも必死で防衛線を張っているんですよね。
「理由を聞いてからじゃないと予定を教えないなんて、私は器が狭い人間なのかな」と、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
けれど、心理カウンセラーとして、僕はその慎重さは決して悪いことではないと考えています。
むしろ、あなたが自分の心や体力を守るために身につけた、とても大切な自己防衛の知恵なのです。
繊細な気質を持つ方は、人一倍、周囲の環境や人間関係から受ける刺激を強く受け止めます。
断るということ自体にものすごいエネルギーを使いますし、相手をがっかりさせてしまうことへの罪悪感も、人一倍強く感じてしまうんですよね。
だからこそ、先に「空いてる」と言って退路を断たれることが、何よりも恐ろしいのです。
予定を聞かれた瞬間にパッと身構えてしまうのは、あなたがそれだけ毎日を一生懸命に生き、自分の限界をこれ以上超えないように心がサインを出している証拠です。
いつも誰かの期待に応えようと頑張ってきたからこそ、せめて断りやすい逃げ道を作っておかないと、心が潰れてしまいそうになるんですよね。
今回は、そんな風にいつも防衛線を張りながら頑張っているあなたに、少しだけ心の荷物が軽くなるようなお話をさせてください。
まず、予定を聞かれたときに「何かあるの?」と聞き返すのは、ちっとも悪いことではありません。
それは自分の大切な時間と、自分の繊細な心を守るための、正当な権利です。
相手の誘いに乗るかどうかを決める基準は、スケジュールが空いているかどうかだけではなく、あなたの「心がそれを受け入れる準備ができているか」でもあるのですから。
もし「空いてる?」と聞かれて心がざわついたら、まずは深呼吸をしてみてください。
そして、「まだ予定が確定していなくて、何時くらいからどんな感じの集まりかな?」と、詳細をゆっくり確認すれば大丈夫です。
あなたの心を守るための防衛線は、あなたがこれまで傷つきながらも一生懸命に自分を守ってきた証拠であり、誇るべき優しさです。
自分のペースを大切にしながら、少しずつ、心地よい距離感で周りとつながっていけたらいいですね。