人生って、ときどき分厚い一冊の本のように感じることがありますよね。
まだ見ぬ先の展開が気になって、つい指を湿らせて何ページも一気に飛ばしたくなってしまう。
あるいは、前のページに書いた失敗が気になって、何度も読み返しては「あぁ、あそこで違う言葉を選んでいれば」とため息をついてしまう。
そんな風に、心が「今」を留守にして、未来や過去へ旅をして疲れてしまっている方に、僕はそっとお伝えしたいことがあります。
人生は、一気に読み進める短編小説ではなくて、一日一ページずつ、ゆっくりと書き込んでいく丁寧な日記のようなものなんだ、と。
心理カウンセラーとして日々いろいろな方とお話ししていると、「早く結果を出さなきゃ」「早くこの苦しみから抜け出さなきゃ」と、自分を急かしている優しい人たちにたくさん出会います。
でも、焦ってページをめくりすぎると、今この瞬間に咲いている小さな幸せや、自分の中に芽生えた大切な感情を見落としてしまうかもしれません。
もし今日が、ただ悲しいだけのページだったとしても、それはそれでいいんです。
無理にポジティブな言葉で埋めようとしなくて大丈夫ですよ。
「今日は、ただ泣いただけの一日だった」
その一行が、いつか物語を読み返したときに、あなたの優しさの根っこになっていることに気づく日が必ず来ます。
僕は、人生に無駄なページなんて一枚もないと考えています。
真っ白なまま動けなかった日も、震える手で「苦しい」とだけ書いた日も、それはあなたが懸命に生きた証。
誰かと比べて「自分の本は進みが遅いな」なんて思う必要はありません。
あなたの人生という物語を書けるのは、世界中であなただけなんですから。
今日は、どんなペンで、どんな色で、今の気持ちを書き込みましょうか。
綺麗な文字じゃなくていいんです。
殴り書きでも、涙で滲んでしまっても、それが「今のあなた」という尊い記録。
焦らず、急がず。
まずはペンを置いて、今日というページを書き終えた自分に「お疲れ様」と声をかけてあげてください。
明日のページは、また明日めくればいい。
今はただ、この一ページに刻まれたあなたの鼓動を、大切に感じてみませんか。