結婚生活24

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息子と娘は、とても仲が良かった。

ある日、お義母さんが、居間に置く二人掛けの「ソファー」をかった。
テレビショッピングで購入したらしい。
まだその頃はネットショップというものが発展していなかった。

そのソファーが送られてきた時、息子は物珍しさからテンションが上がった。
運送屋さんが設置してくれるとのことで玄関から入れるより、居間にある大きい窓から搬入しようとした。
ただそれを「なになに?」と覗き込んだ瞬間…

パシン!!

と息子の頭を叩いた。

運送屋さんもビックリしていた。

当然私もビックリした。

息子も一瞬のことで、なにで叩かれたのか全く分からず泣きじゃくってしまった。
これでは、まずいと思い、咄嗟に私は息子を自分の部屋に逃がした。

私はムカついた。
なんで人の前で意味も分からない子供に手を挙げるのか…

私は息子に「息子は悪くないよ」とずっと慰めていた。

私はお義母さんに対して文句の1つでも言おうかとも思った。

けれど「こんな時、自分にまともな親がいたらなぁ…」
と思った瞬間、なにか虚しさが襲ってきた。

私がお義母さんに文句を言ったところで、私の方が全部悪くなる。
私の思い通りの育児など何もできていない。
そして旦那も頼りにはならない。

私には一体なにができるのか…

それでも、息子と娘はお互いを思いやる優しい子だった。

あ、下の娘の名前も私に権限などありませんでした。
息子の時同様、どこぞで話し合われた名前になっていました。

そうして一年がたち、娘の保育園も息子と同じところへ入園となり、
私はパートに出ることにした。

その間も旦那の借金返済の電話や家に来られたことも何度もある。

毎朝8時30分になるとサラ金からの電話が何件もくる
そしてお義母さんが出て「いません」と一方的に切る

毎日がそのスタートだった。

私はスーパーのレジのパートに採用された。
9時から14時という丁度いい時間帯だった。

そのレジの人たちは年齢層が若く、とても輝いているように見えた。

その人たちはみんな「携帯電話」を持っていた。

私はまだ持っていなかった。

21歳である。

もうその時期は気軽に持てるようになっていた。

レジの人たちに「携帯持ってもらわないとシフトとかの関係があるから」
と言わたが、いまいち私は契約の仕方などが分からなかった。

そのことをレジの人に言ったら
丁寧に教えてくれて、携帯ショップにも一緒に来てくれると言ってくれた。

そのレジの人たちは私に色んな「今流行っていること」などを教えてくれた。

それで私はどれだけ最近のことを知らず過ごしてきたのか…

その日は家の人に仕事だと言って嘘をつき、レジの人と一緒に携帯電話を契約しにいった。

そして初めて携帯電話というものを持った。

そこですぐさまレジの人たちとメールアドレス交換をしたり、電話番号の交換をしたりした。

その日、帰ると、すぐさま携帯電話のことを言われた。

「そんな物買って! いらないだろ!」
と…
けれど私には、言い分があった
「だってお義母さん私がいるのに、いませんって電話切るでしょ、仕事のシフトのことでそれやられたら困る」
と反論した。

そしたらお義母さんは何も言えなくなっていた。
どうせ、このこともお姉さんに言うでしょ、けれどね、お姉さんの子供も携帯電話持ってるの知ってるからね、
と…。 

それから閉鎖的な地域に住んでいる私にとっては携帯電話は、とても有意義なものになっていった。 


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