【うつサポ体験談⑦】家族に「死にたい」と言われた

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コラム
※内容は個人の経験談です。とてもデリケートなテーマですので、一事例として読んでいただけると幸いです。

うつ病の人と切り離すことが出来ないのが「希死念慮」です。
うつ病などの精神疾患だけが原因で死ぬ人はいませんが、うつ病は「死にたくなる」「生きていたくなくなる」と思わせる病気です。

……ということを知識として知っていても、いざ家族から直接希死念慮を表明されるのは大きなショックです。悲しいし怖いし驚くし、怒りも感じます。


1.うつ病初期は繰り返し言われた

私の場合、夫から『俺は要らないんだよね』ということを繰り返し言われました。
目の前で実行に移されたことはありませんが、後になって『何度も包丁で手首切ろうとしたし、線路に飛び込んだら楽かな、とか思った』と言われたこともあります。
ビックリです。眠れない、食欲無い、会社行けない、どころの話ではありません。
こちらもショックのあまり取り乱しました。まだちゃんと生きているのに、死んでしまったところを想像して大泣きしました。
『俺は要らない』発言されるたびに、です。
意識して泣いてたわけじゃありませんが、毎回同じ反応を返していました。


2.自分は仕事で日中不在

夫が仕事に行けないので、当然私が日中働いています。夫婦二人の生活ですからその間夫は家に一人です。多分そういう時に包丁取り出したりしてたのでしょう。
仕事が終わったら真っ先に夫に『帰るコール』してました。すぐ出てくれることがほとんどでしたが、たまに繋がらない(トイレとか?)時は心の中はパニックです。繋がるまで何度もかけたり、メールしたり大忙しでした。


3.辛さを何度も伝え続けた

どうやらそれが、学習効果というか、『自分がいなくなったら妻(私)が悲しむ』という認識に結び付いてくれたようです。
当然、一度や二度ではなかったです。数えきれないくらい言われたし、その度に大泣き→大ゲンカになりました。

そして、『俺は要らない』を言わなくなった、言う回数が減った時期があり、そして更に数年たって、少しずつ『要らないということはない、少なくとも妻にとっては』という認識に変わったようです。


4.今もまだゼロではない

夫の主障害は発達障害ですが、二次障害のうつ病もたまに顔を出します。
ごくごくたまに、『俺は要らない』発言が出てきます。
聞く私のショックや悲しみ、怒りに変化はありません。昔と同じです。

でも、これも慣れなんでしょうか、思考が停止するほどのパニックにはならなくなりました。
『俺は要らない(=死にたい? 生きていたくない?)』という時は、辛さの度合いがひどい時なのかな、と解釈しています。
もちろん本気で言っているのだと思います。私を脅すとか、そういう意味ではありません。
ただ、『自分は要らない人間だ』と思ってしまうほど、状態が悪いんだろうな、と。
なので、『要らないはずがない』ということを極力落ち着いて伝え、いなくなったら私が悲しい、ということと、抑うつが悪化しているのでは?という見解の共有、そして休養を勧めるようにしています。

休んだくらいで復活するわけでも無いのですが、希死念慮は発作的な強い衝動です。爆発しそうになった時に実行に移さないよう、不発弾処理に専念するようにしています。

……と、ここまで書きながら、やっぱり『死にたい』系のことを言われていた時期が一番辛かったな、と思い出しました。
家族としては、生きててくれればどうにかやりようはあるのですから。

夫はODはしないので、そこは心配してなかったです。むしろ飲み忘れが多くて、しょっちゅう薬を余らせてます。

希死念慮がどんなタイミングでどんな表現方法、言葉、行動で現れるかは、その人によるので、これ、という解決策は難しいかもしれません。
家族が出来ることとしたら、「アイメッセージ」で、「私はあなたが死んだら悲しい、死んでほしくない」ということを伝えること、かもしれません。
≪アイメッセージ≫
主語を「私」にして相手に伝えること。
「あなたは~しなくてはいけない」という言い方では反発されることが多い。
「私は~」を主語にして気持ちを伝えることで受容のハードルが下がる。

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