自分がしっかりしなきゃと思い、周囲からもそれを求められているかもしれません。
今までなら一番の頼みの綱だったご主人が病気になってしまったのですから、今までの
二人分の責任を負いつつその何倍もの
重荷がご相談者様にのしかかっているのではないでしょうか。
毎日くたくたになって、でもずっと家にいる夫には頼れない。そしてその本人は(一見)ずっと寝ている。
どうせ家にいるならゴミをまとめるくらいしてくれてもいいのに、みたいなことを思ってしまうのは仕方のないことです。
積もり積もったものが爆発して、ついキツい口調になって、ケンカに発展することもよく分かります。
今のあなたは
二人分の人生を生きています。
疲れるのもストレスがたまるのも当然です。
そういうご自身を責めたりしないで、まずは
自分で自分を受け容れましょう。
これだけ頑張っているのだから、
疲れるのは当然だし、疲れたら気持ちに余裕がなくなって
イライラしてしまうのも当たり前、と。
そして、
今のご主人の状態を観察しましょう。
一日中何も出来ない、顔も洗えないから髭ぼうぼうで、お風呂も入れない、着替えも出来ない、家から一歩も出られない。
それはご主人が怠けているのでもあなたに甘えているのでもなく、
それが精いっぱいなのです。
お布団にくるまってる間も、呑気に眠っているわけではないでしょう。
心の中で以前のように働けない、あなたに負担ばかりかけてるのが分かっているのに手伝うことはおろか、自分の身の回りのことすら出来ない状態に、ご本人が何より絶望していると思います。
一見何もしていないように見えますが、
心の中で必死に戦っています。反省して、自分を責めているかもしれません。
辛いですが、
この状況はしばらく続くでしょう。数カ月から、もしかしたらもっとかもしれません。
でも
本人に任せてじっくり考えたり休んだりする時間を持ってもらうことで、確実に
状況は上向いていきます。
その変化が目に見えないし、本人が説明してくれるわけでもないでしょうから、きっと不安だらけだと思います。だからこそイライラも増大するのでしょう。
今のご相談者様がやることは、ご主人を追い立てることでも、ご自分を責めることでもありません。
この4つです。
そしてご主人が何か出来るようになったとき、その時出来ることは何かをよく相談して、無理せず出来ることがあればそれをやってもらいましょう。
・ゴミをまとめる(捨てるのは辛いかもしれません、外へ出られない人が多いので)
・朝食だけは一緒に食べる
・リビングだけ掃除機かけてもらう
みたいに。
人によって出来ることは違うし、やってもらいたいことも違うので、そこは二人で話し合って決めるのがベストです。
時間をかけることで、出来ることがちょっとずつ増えていきます。それが
「リハビリ」です。リハビリは急速に拡大したり負荷をかけすぎると失敗して、ゼロどころかマイナスに戻ります。焦らないことが大事です。
うつ病の、しかも急速に悪化している時期は、本人も身近な家族も一番辛い時期です。うつに慣れていないから不安も未知の事態も多い。
そういう時は、他人にたくさん頼りましょう。
家族、友人、同僚、そして専門家(医師・カウンセラー・ソーシャルワーカー)に。