「借入が残っていますが、住宅ローンはくめますか?」

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家を買う際に、現金で買わない限り避けて通れないのが住宅ローンです、
しかしながら、

「過去に返済が遅れてしまったことがある」
「まだ昔の借入が残っている」

そんな状態で新たに住宅ローンを組めるのだろうか?
という漠然とした不安から、住宅の購入に消極的になってしまう人も少なくありません。

今回はこういった住宅ローンのお悩みについて、元大手不動産会社営業マン、現役の住宅ローンのプロで、自身も2度のマイホーム購入経験がある筆者が解説します。

① 返済の遅れと借入があることの違い


まず、返済が遅れることと、借入が残っていることでは、審査における問題が違うことを認識する必要があります。

・返済が遅れていること→「信用懸念」の問題
・借入があること→「返済比率」の問題
信用懸念の問題は、
この人に貸して、最後まできちんと返済してくれるのだろうか?
滞納した場合でも連絡が取れて対応して頂けるのだろうか?
と金融機関が過去の返済状況から貸しても良い人か「判断」をすることです。

「判断」なので、各金融機関により基準は異なりますが公開されることはありません。
ただ信用情報に過去の金融事故が載っている方、現在も返済を滞っている方については、確実に不承認になります。

一方、返済比率の問題は、今回申込する住宅ローンの返済額と既存の借入の返済額の合計が、金融機関で定めた年収に対する年間返済額の割合(返済比率)以内におさまっているかという「基準」です。

住宅ローン返済額をいくらの金利で計算するか、既存の借入をどこまでみるか、各金融機関によってまちまちですが、概ね年収に対して30~40%以内とされるのが一般的です。

このように住宅ローンの審査は、金融機関によって若干の違いがあり、同じ条件でも借りられる場合と借りられない場合、また借入額に差が出る場合もあるので、事前審査等で確かめることが必要です。

② 借入の内容や過去の返済状況を自分で調べる方法


住宅ローンの審査では、返済中の借入やカードの利用について、申込時に申告をする必要があります。
申告す内容は、契約年月日、借入先、利用用途、借入金額、現在の残高、月々の返済額、完済予定の有無などの正確な情報が求められますので、あらかじめ契約した際の書類などは手元に準備しておきましょう。

しかしながら、すぐお手元に返済表や契約時の書類を用意できない場合、手っ取り早く把握する方法は、信用情報機関に情報開示請求する方法です。

住宅ローンの審査に利用される信用情報機関は、
シー・アイ・シー(CIC)
日本信用情報機構(JICC)
全国銀行個人信用センター
の3機関ですが、開示情報が一番見やすいシー・アイ・シー(CIC)をおすすめします。

具体的な開示方法は、シー・アイ・シー(CIC)のHPからインターネットで開示する方法のほか、郵送や直接窓口でも開示することができます。
この作業は必須ではありませんが、現在も返済中の借入やカードの利用があり審査にあたり心配な方は、是非おすすめの方法です。

③ ローンを通過させるための具体的対策


まず信用懸念については、過去に金融事故があった方は、その記録が消えるまで申込するのを待ってください。

該当する借入について完済してから一定の期間が経過すれば、信用情報からその記録が消滅しますので、それまでは他の返済も期日を守ってしっかりと返済実績を積み上げていくしかありません。
まだ完済していない方は、まずは最優先で完済してください。

次に現在、返済を滞っている方、過去に滞納の記録がある方も、まずは正常な返済に戻すことです。
既に完済してしまった借入については、完済から一定期間、記録が残ってしまいますが、現在も返済中の借入については、直近数ヶ月分の返済状況しか記録されませんので、数か月実績を積んでいけば遅れの記録が消えます。

一方、お借入れが残っている場合ですが、特に年収に対して可能な限り多く借りたい場合は、自己資金で現在のお借入れをすべて完済できるよう計画してください。

完済を条件に審査した場合、実際に完済するタイミングは、ローンの審査後でも構いませんが、契約時までに完済したことがわかる書類を金融機関に提出する必要があります。
そのためにも返済予定表などの書類準備と完済のための資金の段取りをつけておきましょう。

特に車のローンや教育ローンなどの月々返済額が数万円となる分割払いのものについては、可能であれば完済を前提に考えるのが賢明です。

また住宅の購入を考えたら、なるべく新たな借入は控えるようにしましょう。
日常生活でカードをどうしても利用しなければならない場合は、回数払いは避け、一括払いのみでやりくりできるよう工夫してみてください。

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