最近、不動産投資を検討している方から、
次のような相談を受ける機会が増えています。
「この賃料で本当に貸せるのでしょうか?」
「この利回りは現実的ですか?」
「不動産会社からは大丈夫と言われているのですが少し不安です」
こうした相談を受けるたびに感じるのは、多くの投資家が「物件価格」や「利回り」に注目する一方で、本当に重要な部分が見落とされているということです。
不動産投資は購入した瞬間に利益が出るわけではありません。
実際に入居者が決まり、家賃が入り続けて初めて成立するビジネスです。
しかし、販売資料に書かれている想定賃料と、
現実に市場で決まる賃料には差があることも少なくありません。
今回は、最近特に増えている「想定賃料と現実のズレ」について
利回りは賃料設定ひとつで大きく変わる
投資物件を探していると、
「表面利回り3%」
「満室想定利回り4%」
といった数字を目にすることが多いと思います。
当然ながら利回りが高い物件の方が魅力的に見えます。
しかし、その利回りは何を基準に計算されているのでしょうか。
答えは非常にシンプルです。
想定賃料です。
例えば月額賃料を5,000円上げるだけでも、利回りは変わります。
1万円上げればさらに良く見えます。
つまり、利回りは賃料設定によって大きく左右される数字なのです。
もちろん適正な賃料設定であれば問題ありません。
しかし最近は、物件価格の上昇や金利上昇の影響もあり、
以前よりも高い価格で売却しなければならないケースが増えています。
すると、販売時に見せる利回りも重要になります。
その結果、市場相場より少し高めの賃料設定になっているケースを見かけることが増えてきました。
「貸せる賃料」と「募集する賃料」は違う
ここは投資初心者の方が特に勘違いしやすいポイントです。
実際の賃貸市場では、
募集賃料=成約賃料
ではありません。
例えば周辺相場が8万円のエリアで、
8万5千円で募集している物件はたくさんあります。
しかし実際には、
・フリーレント1ヶ月
・広告料2ヶ月
・礼金なし
・初回保証料貸主負担
など様々な条件を付けて契約しているケースがあります。
つまり表面上は8万5千円でも、
実質的には8万円程度で決まっていることも珍しくありません。
募集図面だけを見ていると気付きませんが、
販売時に説明されても記憶に残らない理由
相談者の話を聞いていると、「聞いていなかった」というより、
「聞いていたけど重要性を理解できなかった」
というケースが非常に多いです。
不動産購入時は、
・融資
・契約条件
・金利
・登記
・火災保険
・固定資産税
など確認することが山ほどあります。
その中で、
「募集時は広告料2ヶ月ぐらい必要ですね」
「フリーレント付けた方がいいですね」
と言われても、あまりピンと来ません。
しかし実際に所有して募集が始まると、
「あれ?思ったよりお金が出ていくぞ」
となるわけです。
利回り計算に出てこない募集コスト
ここも非常に重要です。
投資シミュレーションには出てこないコストが存在します。
例えば、
・広告料2ヶ月
・フリーレント1ヶ月
・保証会社初回費用0.5ヶ月
とすると、実質3.5ヶ月分程度の負担が発生します。
家賃10万円の物件なら、約35万円です。
しかも空室期間が3ヶ月あった場合、
さらに30万円の機会損失が発生します。
つまり入居者が決まっても、
実質的には65万円近いマイナスからスタートしていることになります。
販売資料の利回り計算には、この部分が含まれていないことも多いのです。
特に注意したいのは地方や郊外物件
都心部の人気エリアであれば、
多少強気の賃料設定でも決まることがあります。
しかし地方や郊外になると話は変わります。
人口減少や競合物件の増加によって、
入居者側が選べる時代になっています。
すると、
・賃料据え置き
・フリーレント
・広告料増額
という競争が起きます。
つまり、「想定賃料では貸せるけど条件をかなり付ける必要がある」
という状況になりやすいのです。
投資判断をするときは、
想定賃料だけでなく、
その賃料を維持するために何が必要なのかまで確認することが重要です。
本当に見るべきなのは利回りではなく競争力
私は投資相談を受ける際、
利回りだけを見て判断することはありません。
確認するのは、
・周辺の募集状況
・競合物件の条件
・築年数
・駅距離
・人口動態
・供給状況
・管理状態
です。
なぜなら、投資物件の価値は利回りではなく、
「他の物件と比べて選ばれる理由があるか」
で決まるからです。
競争力が弱い物件は、いずれ賃料を下げるか、
募集条件を緩める必要が出てきます。
購入前に第三者の意見を聞く価値は大きい
不動産会社が嘘をついているという話ではありません。
ただ、不動産会社は売主側の立場で説明していることもあります。
だからこそ、購入を決める前に、
第三者の目線で確認することには大きな意味があります。
本当にこの賃料で決まるのか。
周辺と比べて競争力はあるのか。
フリーレントや広告料は必要なのか。
今後も維持できる賃料なのか。
こうした部分を事前に整理するだけでも、
最後に
不動産投資で失敗する人の多くは、物件価格や利回りだけを見ています。
しかし実際の運用では、「その賃料で本当に決まるのか」
が最も重要です。
私は普段、投資家の方から依頼を受け、
周辺募集物件の分析や賃料の妥当性、
エリアの将来性などを第三者視点で確認しています。
購入前に少し立ち止まって確認するだけで、
防げる失敗は意外と多いものです。
もし、
・この賃料設定は適正なのか
・この利回りは現実的なのか
・購入前に客観的な意見が欲しい
という方は、一度セカンドオピニオンとしてご相談ください。
数字だけでは見えない「実際に貸せる物件かどうか」を、
現場目線で整理させていただきます。
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