30代に多い不動産の相談。情報があふれる今こそ必要な「不動産リテラシー」とは?

30代に多い不動産の相談。情報があふれる今こそ必要な「不動産リテラシー」とは?

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コラム
不動産トラブルというと、
「高齢者が悪質な営業に騙される」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。

確かに、国民生活センターが公表した2025年度の消費生活相談全体では、
70歳以上の割合が25.6%と最も高くなっています。

ただし、不動産、特に「賃貸アパート・マンション」に限って見ると、
少し違った傾向が見えてきます。

2025年度の「賃貸アパート・マンション」に関する相談件数は43,148件。

前年の34,908件から8,240件増加し、増加件数では商品・サービス別で最も大きくなっています。主な相談内容として、
退去時の原状回復トラブルや、管理会社の対応への不満などが挙げられています。

さらに年代別に見ると、

20代では9,000件で第1位。
30代では9,257件で第1位。


となっています。30代は20代よりも相談件数が多く、
年代別に見ても非常に高い水準です。

私はこの数字を見て、
30代こそ、不動産リテラシーを意識した方がよい年代なのではないか
と改めて感じました。


30代になると、不動産との関わり方が一気に広がる

ここからは、国民生活センターのデータそのものではなく、
私が不動産の現場で感じていることです。

20代で不動産と関わる場面といえば、

・就職を機に一人暮らしを始める
・転勤で引っ越す
・同棲を始める
・結婚を機に住み替える

など、賃貸住宅が中心になることが多いと思います。

一方で30代になると、

・マイホームを購入する
・住宅ローンを組む
・投資用マンションを勧められる
・不動産投資を始める
・住み替えを検討する
・親の家や将来の相続について考える

と、不動産との関わり方が一気に広がっていきます。

実際、30代男性の相談項目を見ると、
「賃貸アパート・マンション」だけでなく、「新築工事」「戸建住宅」
「分譲マンション」なども上位20項目に入っています。

20代の頃は数十万円単位だった不動産契約が、
30代になると数千万円単位の判断になることもあります。

収入や貯蓄が増え、選択肢が増えてくる一方で、
判断を間違えたときの金額も大きくなります。

だからこそ、
「不動産会社に言われたから」ではなく、自分でも判断できる力
が必要になってきます。


情報は増えた。でも、正解が分かりやすくなったとは限らない

今は、分からないことがあればスマートフォンですぐ調べられます。
YouTube、Instagram、TikTok、X、ブログ。
不動産についても、少し検索するだけで大量の情報が出てきます。

これは非常に便利です。

ただ、情報が増えたことで、逆に判断が難しくなった面も
あると思っています。

例えば、
「ワンルームマンション投資は絶対に買うな」
「持ち家より一生賃貸の方が得」
「仲介手数料無料じゃない不動産会社は損」
「新築マンションは買った瞬間に価値が下がる」
「不動産投資なら節税になる」

こういった強い言葉を、SNSではよく見かけます。
どれも、切り取れば一部正しいケースがあります。

しかし、不動産の現場で働いていると、
一つの答えをすべての人に当てはめるのは難しいと感じます。

ワンルームマンションでも、購入価格や立地、借入条件によって
評価は変わります。

賃貸と持ち家も、その人の年齢、家族構成、転勤の可能性、
収入によって答えは変わります。

仲介手数料無料の会社でも、丁寧に対応してくれる会社はあります。
逆に、手数料が安いことだけを売りにして、契約条件の説明が十分でない会社もあります。

つまり、
ネット上の一般論と、自分が今検討している案件の答えは別物です。


SNSの情報で大切なのは「正しいか」だけではない

私は、不動産情報を見るときに、
「誰の立場から発信しているのか」
を見ることが大切だと思っています。

例えば、投資用マンションの販売会社であれば、
「老後の資産形成になります」
「団体信用生命保険があります」
「家賃収入でローン返済ができます」
とメリットを説明します。

これ自体は、条件によっては間違いではありません。
一方で、不動産投資に否定的な発信者であれば、
「毎月赤字になる」
「新築価格は割高」
「将来売却すると損をする」
といったリスクを強調します。

こちらも、物件によっては事実です。

問題なのは、
どちらか一方だけを見て判断することです。

不動産会社には、不動産会社の立場があります。
SNS発信者にも、動画を見てもらいたい、
サービスを売りたいという目的があるかもしれません。

だから、
「この人は嘘をついている」
と決めつけるより、「この人はどの立場から話しているのか」
を見る癖をつけた方がよいと思います。


不動産リテラシーとは、何でも自分で分かることではない

「不動産リテラシーを高める」と聞くと、
難しい法律を勉強したり、相場を全部覚えたりしなければならないように
感じるかもしれません。

私は、そこまで難しく考える必要はないと思っています。

むしろ大切なのは、
「これ、本当に大丈夫かな?」と気づけることです。

例えば、
「今日決めないとなくなります」
と言われた。

「この物件は絶対に損しません」
と言われた。

「初期費用はうちが一番安いです」
と言われた。

「このマンションは将来も家賃が下がりません」
と言われた。

「節税になるので買った方がいいです」
と言われた。

こういった説明を受けたときに、
そのまま契約するのではなく、「一度確認してみよう」
と思えるかどうか。

これだけでも、かなり違います。


30代は「契約してから」ではなく「契約する前」に確認したい

特に30代になると、契約金額が大きくなる可能性があります。
賃貸契約なら、初期費用が数十万円。
マイホームなら数千万円。
投資用マンションでも数千万円。
住宅ローンであれば、30年以上支払いが続くこともあります。

この金額になると、「契約してから考える」
では遅いことがあります。

だからこそ、例えば賃貸であれば、
・初期費用は適正なのか
・不要なオプションが入っていないか
・家賃は周辺相場と比べて高くないか
・原状回復条件は一般的なのか
・本当に今日申し込む必要があるのか
といった部分を確認します。

不動産投資であれば、
・購入価格は相場と比べてどうか
・想定家賃は現実的か
・毎月の収支計算は合っているか
・修繕費は考慮されているか
・金利が上昇しても返済できるか
・売却時にローンを完済できるか
などです。

すべてを理解する必要はありません。
重要なところだけでも確認する。これが大切です。


「分からないからやめる」必要もありません

逆に、
「自分にはよく分からないから、不動産投資は全部やめよう」
「契約書は難しいから、全部営業担当者に任せよう」
という二択にする必要もありません。

良い物件であれば、購入することに問題はありません。

条件の良い賃貸物件であれば、早く申し込むことが必要なケースもあります。
不動産会社の営業担当者から勧められた物件だからといって、
悪い物件とも限りません。

大事なのは、
分からない部分を分からないままにしないことです。

そこだけ第三者に確認してから判断しても遅くありません。


第三者に確認すると、見え方が変わることがある

例えば、投資用マンションを販売している会社から、
「この部屋なら月10万円で貸せます」
と言われたとします。

それに対して第三者が周辺相場を確認したところ、
「10万円で募集されている物件はあります。
ただ、9万5,000円前後も想定しておいた方が安全です」
となったとします。

この場合、「販売会社が嘘をついている」
という話ではありません。

10万円で貸せる可能性はあります。
ただし、収支計算を9万5,000円でも行っておけば、
より安全な判断ができます。

それでも収支が合い、「この条件なら買いたい」
と思うのであれば、購入すればよいと思います。

第三者の役割は、
契約を止めることではなく、判断材料を増やすことです。


私が相談を受けるときも「やめた方がいい」が前提ではありません

私は不動産会社の商品を販売する立場ではなく、
第三者の不動産コンサルタントとして相談を受けています。

そのため、
「この物件はやめてください」
と言うことを目的にしているわけではありません。

確認した結果、
「特に大きな問題はないと思います」
とお伝えすることもあります。

逆に、
「この家賃設定は少し強気です」
「この初期費用は確認した方がいいです」
「この契約条件は借主側の負担が大きいです」
「この収支計算は少し楽観的です」

と感じれば、その理由を説明します。

最終的に契約するかどうかを決めるのは、ご本人です。

私ができるのは、判断するための材料を整理することです。


こんなときは、契約前に一度確認してみてもよいと思います

例えば、
「営業担当者の説明に納得はしているけど、少し不安がある」
「SNSで調べたら真逆の意見が出てきた」
「不動産投資を勧められているけど、自分に合っているか分からない」
「賃貸の初期費用に聞いていない項目が入っている」
「この物件、本当に相場より安いのか知りたい」
「今日申し込まないとなくなると言われたけど、本当に急ぐべき?」
このような段階で相談しても問題ありません。

むしろ、契約後よりも契約前の方が、選択肢はたくさん残っています。


まとめ 30代だからこそ「情報を見極める力」を

2025年度の国民生活センターのデータを見ると、
「賃貸アパート・マンション」に関する相談は43,148件あり、
前年から8,240件増加しています。

年代別では、20代が9,000件、30代が9,257件で、
どちらも相談内容の第1位が「賃貸アパート・マンション」です。

特に30代は、賃貸だけでなく、住宅購入、不動産投資、住宅ローンなど、
不動産に関する選択肢が広がっていく年代です。

そして、動くお金も大きくなります。
情報があふれている今、
「ネットに書いてあったから」
「営業担当者が言っているから」
だけで判断するのではなく、
自分のケースではどうなのかを確認することが重要です。

不動産リテラシーとは、すべての知識を持つことではありません。
「これ、おかしくない?」と気づき、分からないことを確認できること。
それだけでも、大きな失敗を防げる可能性があります。

賃貸でも、不動産投資でも、住宅購入でも、
「これ、本当に大丈夫かな?」
と少しでも感じたら、契約前に第三者の視点を入れてみる方法もあります。

私はココナラで、不動産会社とは利害関係のない立場から、物件、
初期費用、家賃相場、収支、契約条件などについてのご相談を受けています。

契約をやめてもらうためではありません。
ご自身が納得して決めるための判断材料を増やす。
そのための相談先として利用していただければと思います。


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