小さな会社が「4月1日から新しい人を採用したい」なら、もう準備を始めていないといけないタイミングです。
「採用が決まってから考えればいい」と思われがちですが、実は入社前に行う事務手続きやルール作りは意外と多く、直前になると慌ててしまいます。
今回は、小さな会社の経営者の方が、スムーズに当日を迎えるために必要な準備を整理しました。
入社前に必ず「労働条件」を確定させる
人を雇うとき、まず最初に行わないといけないのは「労働条件の明示」です。
口約束ではなく、書面で交わすことが法律で義務付けられています。
(最低限、メールなど印刷できる状態にすることが必要です)
労働条件通知書(または雇用契約書)には、労働契約の期間、給与、勤務時間、休日、業務内容、退職に関すること、給与から天引きする項目、賞与や退職金などについて記載します。
記載事項は、法律で決まっています
なぜ入社前なのか?「入社してみたら話が違う」というトラブルを防ぐためです。
お互いの納得感を持ってスタートするために、契約書の内容は早めに固めておきましょう。
「事業所」として役所への届け出
初めて人を雇う場合、まずは会社(事業所)自体を各機関に登録する必要があります。
以下の書類は、入社日以降に提出するものですが、事前に揃えておくとスムーズです。
●労働基準監督署
・労働保険の加入(適用事業所設置届)
・概算保険料の申告
いわゆる「労災保険」に加入するための手続きです。
1日のアルバイトを雇うときでも「労災保険」には必ず加入します。手続きには、会社の登記簿謄本などが必要になります。
手続きは、事業所管轄の労働基準監督署の窓口に、複写の書類を提出します。
電子申請もできますが、電子証明書などを取るのに月単位の時間がかかる場合があります。
●税務署
・給与支払事務所等の開設届
所得税の源泉徴収を行うために必要です。
加入条件をチェックして、必要な情報を集める
働く時間や条件によって、加入すべき保険が異なります。
本人から「マイナンバー」「雇用保険日保険者番号」などを預かる必要があるため、事前にリストアップしておきましょう。
●雇用保険(ハローワーク)
週20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある労働者がいる場合に加入します。
会社の「設置届」の手続きと、労働者1人ずつの「被保険者資格取得届」という手続きが必要です。
●健康保険・厚生年金(年金事務所)
・法人の場合
原則として会社と代表者がまず加入します。
週30時間以上(※51人以上の会社は週20時間以上など別のルールがあります)働く労働者がいる場合、1人ずつ「被保険者資格取得届」の手続きが必須です。
・個人事業主
5人以上、週30時間以上働く従業員がいる場合は、労働者が加入対象となります。
週の労働時間など、健康保険・厚生年金加入の条件に当てはまらない場合は「国民健康保険」またはご家族の扶養内で働く形になります。
給与計算と勤怠管理のルール作り
給与は「払えばいい」というわけではなく、計算のルールをあらかじめ設定しておく必要があります。
給与の項目: 基本給だけでなく、各種手当や控除(税金・保険料)の計算。
勤怠管理: 始業・終業・休憩時間をどう記録するか。
36協定: 1日8時間、週40時間を超えて働いてもらう可能性があるなら、事前に労働基準監督署へ「36協定」の届出が必要です。
ソフトの導入は早めに
最近では、会計ソフトや給与計算ソフト、勤怠管理システムを連携させるのが一般的です。
操作に慣れる時間も考慮して、3月中にはソフトを選定し、基本情報の入力を済ませておくのが理想的です。
不安な場合はプロに相談を
初めて人を雇う経営者の方は、だいたい、手続きの多さに驚かれます。
今回ご紹介した手続きは、一つひとつに細かいルールがあり、万が一漏れがあると後から修正するのが大変なケースもあります。
「自分の会社はどの保険に入る必要があるのか?」「雇用契約書の書き方はこれで大丈夫か?」と少しでも不安に感じたら、社会保険労務士(社労士)に相談することをおすすめします。
手続きをアウトソーシングすることで、経営者の方は本来の業務や、新しい従業員への教育に専念できるようになります。
私は以下の2つのサービスをご用意していますが、ご予算やお悩みの内容に応じて、柔軟にお見積りさせていただきます。ぜひご利用下さい。