生成AIへ「一般事務の求人原稿を作って」と入力すれば、数秒で読みやすい文章が出てきます。
ただし、元になる条件が足りなければ、AIはもっともらしい情報を補ってしまうことがあります。
・実際にはない福利厚生が加わる
・勤務時間や休日が曖昧なまま整えられる
・求める人物像が抽象的な美辞麗句になる
問題はAIの文章力ではなく、AIへ渡す前の「事実の整理」です。
今回は、小さな会社が生成AIで求人原稿を作る前に確認したい5つのポイントを紹介します。
↓ 生成AIで求人原稿を作成|必須項目チェック・職種別ヒント
【1.仕事内容を作業単位で具体化する】
「一般事務」「EC運営」「店舗スタッフ」だけでは、応募者は実際の働き方を想像できません。
たとえば一般事務なら、
・受注データ入力
・電話の一次対応
・見積書の作成
・備品発注
・来客対応
のように、担当する作業を分けて整理します。
さらに、1日の業務配分、使用するソフト、電話件数、繁忙期、引き継ぎ方法まで確認すると、AIも具体的な原稿を作りやすくなります。
【2.就業場所と変更範囲を分ける】
求人原稿では「入社直後にどこで働くか」と「将来どこまで変更する可能性があるか」を分けて整理します。
同じように、仕事内容も入社直後の業務と変更範囲を確認します。
2024年4月から、労働契約の締結・更新時に明示すべき事項として、業務と就業場所の変更範囲、有期契約の更新上限などが追加されました。
「会社の定める業務」「会社の定める事業所」と書けば終わりではありません。実際の運用と一致し、応募者が理解できる範囲になっているかを社内で確認することが大切です。
【3.賃金・勤務時間・契約条件を一つずつ確認する】
AIは文章を整えることはできますが、正しい条件を決めることはできません。
最低限、次の項目を元資料と突き合わせます。
・賃金形態と金額
・固定残業代の有無と内訳
・始業、終業、休憩
・時間外労働
・休日、休暇
・契約期間
・更新の有無、判断基準、上限
・試用期間中の条件
最低賃金や社会保険の条件は地域や制度改正によって変わるため、古い原稿の数字をそのまま使わず、公開時点の最新情報を確認します。
【4.応募条件を属性ではなく業務上の必要性で書く】
「若い方歓迎」「女性向け」「体力のある男性」など、年齢や性別を前提にした表現は注意が必要です。
募集・採用時の年齢制限は原則禁止され、性別を理由とする差別も禁止されています。例外や業務上の要件を自己判断せず、必要に応じてハローワークや労働局へ確認します。
求める人物像は、
・期限から逆算して作業できる
・複数の依頼を整理して報告できる
・お客様の話を聞き、事実を記録できる
のように、仕事上の行動で表現すると具体的になります。
【5.魅力は事実と根拠から作る】
「アットホーム」「成長できる」「誰でも簡単」といった表現だけでは、応募者の判断材料になりません。
代わりに、
・入社後1週間は担当者が操作を説明する
・月1回、業務改善の提案時間がある
・問い合わせ対応は1日平均10件
・シフトは前月20日までに決定する
など、確認できる事実を魅力として整理します。
生成AIへは、未入力を推測しないこと、分からない箇所は「要確認」と表示すること、数字や制度を創作しないことも明確に指示します。
【求人広告で表示を確認したい情報】
厚生労働省は、インターネットやSNSを含む求人広告について、広告主の名称、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金の表示を求めています。また、虚偽や誤解を生じさせる表示は禁止されています。
AIで読みやすくする前に、これらの元情報がそろっているかを確認することが先です。
【生成AIを使う場合の注意】
会社の未公開情報、採用担当者の私用連絡先、応募者の氏名や経歴などの個人情報を、一般公開型のAIサービスへ入力しないでください。利用するAIサービスの規約と社内の情報管理ルールを確認し、求人条件だけを渡します。
【まとめ】
生成AIで求人原稿を作る前に整理したいのは、次の5つです。
1.具体的な仕事内容
2.就業場所と変更範囲
3.賃金・勤務時間・契約条件
4.業務上必要な応募条件
5.事実に基づく仕事の魅力
JIMU STOCKでは、求人条件41項目を入力し、必須確認13項目を確認したうえで、生成AIへ貼り付ける求人原稿作成用プロンプトを自動で整えられるExcelテンプレートを用意しています。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の求人条件に関する法的判断を行うものではありません。必要に応じてハローワーク、都道府県労働局、社会保険労務士、弁護士等へご確認ください。
【参考】
厚生労働省「募集情報等提供事業者・募集主の方へ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1_00006.html
厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが改正されます」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1.html
厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/topics/tp070831-1.html