学校へ行けなくなった生徒④

学校へ行けなくなった生徒④

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コラム

先生の声が、黒板より大きかった


ナオは、忘れ物をした。

理科のノートだった。

先生は大きな声で言った。

「またですか。みんな、こういう人にならないように」

教室が静かになった。

誰も笑わなかった。

それが、かえってつらかった。

ナオは、その日から理科の時間が怖くなった。

次に怖くなったのは、先生の靴音だった。

廊下から近づいてくる音だけで、心臓が速くなった。

さらに次は、学校のチャイムだった。

チャイムが鳴ると、あの声が戻ってくる。

母親は言った。

「先生も、あなたのために言ってくれたんじゃない?」

ナオはうなずいた。

その通りかもしれない。

でも、心は理由で傷つくのではない。

音で傷つくこともある。
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