学校へ行けなくなった生徒③

学校へ行けなくなった生徒③

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コラム

先に帰宅する点数


レンは、成績が悪い子ではなかった。

むしろ、よくできる方だった。

だからこそ、八十点を取った日の家は静かになった。

父親は答案を見て言った。

「今回はどうした」

母親は言った。

「次は戻そうね」

戻す。

その言葉が、レンには怖かった。

自分は点数でできた人間なのかもしれない。

百点なら、家の空気が明るい。

九十点なら、少し曇る。

八十点なら、雨が降る。

次のテスト前、レンは眠れなくなった。

問題集を開いても、文字が動いた。

試験当日、学校の門の前で吐き気がした。

先生は言った。

「緊張しすぎだね」

レンは思った。

緊張ではない。

点数が、自分より先に家に帰るのが怖かった。
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