理由を聞く前に、子どものSOSを受け止める

理由を聞く前に、子どものSOSを受け止める

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コラム

―「なんで?」は、子どもには重すぎることがある―

子どもが

「学校に行きたくない」

と言ったとき、親は理由を知りたくなります。

なぜ行きたくないのか。

友だちと何かあったのか。

先生に何か言われたのか。

勉強が分からないのか。

いじめなのか。

体調なのか。

理由が分かれば、対策ができる。

そう考えるのは自然です。

けれど、不登校の初期において、「なんで?」という問いは、子どもにとってかなり重いことがあります。

なぜなら、子ども自身にも理由が分からない場合が多いからです。

ただ朝になると苦しい。

学校のことを考えると体が固まる。

教室を思い浮かべると怖い。

でも、それをうまく説明できない。

そんな状態の子に、

「なんで?」

と聞くと、子どもは答えを作らなければならなくなります。

すると、本当の気持ちから離れてしまうことがあります。

「先生が嫌」

「友だちが嫌」

「勉強が嫌」

そう言ったとしても、それは本当の原因の一部でしかないかもしれません。

また、理由を聞かれることで、子どもは責められているように感じることもあります。

「ちゃんと説明できない自分が悪い」

「理由がないなら、行かなきゃいけないのか」

「分かってもらえないなら、もう言わない」

そうして、心を閉じてしまう子もいます。

大切なのは、理由を聞くことそのものを否定することではありません。

理由を聞くタイミングを間違えないことです。

子どもが「行きたくない」と言った瞬間は、事情聴取の時間ではありません。

まずは応急処置の時間です。

たとえるなら、倒れている人に向かって、

「なぜ倒れたんですか」

「原因は何ですか」

といきなり聞くよりも、まず安全を確保し、落ち着かせることが先です。

不登校のSOSも同じです。

まずは、

「そうなんだ」

「話してくれてありがとう」

「今は無理に説明しなくていいよ」

と受け止める。

理由を聞くのは、子どもが少し落ち着いてからでいいのです。

そして聞くときも、

「なんで行きたくないの?」

ではなく、

「学校のことを考えると、体はどんな感じになる?」

「一番しんどい時間はいつ?」

「話せる範囲で教えてくれる?」

というように、子どもが答えやすい形にすることが大切です。

不登校の子は、親を困らせたくて言っているのではありません。

自分でもどうしたらいいか分からず、助けを求めていることがあります。

その最初のSOSを、問い詰めで消してしまわないこと。

理由より先に、気持ちを受け止めること。

それが、親子の信頼を守る第一歩なのだと思います。
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